(書評)OTAKUエリート 2020年にはアキバカルチャーが世界のビジネスの常識になる

著者:羽生雄毅



近年、アニメやコスプレなどと言った「アキバカルチャー」が海外で人気であるといわれる。しかしながら、今、そのコンテンツの海外展開に成功しているとは言いがたい。それは、従来からの日本における「オタク文化」についてはともかく、海外でどのようにそれが広まっているのかについての知識が不足しているからではあるまいか? オックスフォード大に留学し、そのコンテンツに触れる海外の若者と触れ合った著者が語る、海外の状況、そして、それを踏まえての海外展開などについて語った書。
本書の内容としては、第1章でパソコン通信、インターネットというものの普及でアキバカルチャーが展開する歴史。第2章、3章で、その状況を綴る主な出来事が綴られる。第4章で著者が留学生で出会った人々との話。そして、第5章でまとめ、という構成。
うーん……間違っている、とは思わない。思わないのだけど、何か気持ち悪さを感じるというか……。なぜ、そう感じたのかについて考えてみる。
理由は、データとか、そういうものが出ることなく「○○でこうなった」「××が多数になった」みたいな言い回しが多いこと。過去の書評記事とかでもわかるけど、私は「○○と言われている」というようなものをそのまま信用しないことにしている。というのは、その前提がどこまで正しいかわからないから。勿論、またネットに限らず小さなコミュニティの中でローカルな流行が発生し、それが広がっていく、という体験は何度も見ている。ただ、それが裏付けられた、というより、何と無くの実感を何と無くのまま「こうです」と言われただけ、という感じになってしまうのだ。
また、4章の著者の留学時代に出会った人々の事例。まぁ、著者が言うように、経済状況などを考えても、エリート中のエリートの中に、日本を発祥の地とする文化に親しんでいる層がいるのは事実だろう。でも、類は友を呼ぶ、じゃないけど、著者の周囲にそういう人がいたからと言って、それが多数派であるということにはならないし……。著者の体験記としては面白いのだけど、文化論と言われると、と思える。タイトルにある2020年には常識に、というのともあまり繋がらない気がするし……
個人的に5章のまとめ部分が一番、面白かったかな。日本のアニメなどに親しんだ人々は、日本についての知識なども多い。だから、ゲイシャ、フジヤマ、ニンジャ……みたいなものでは納得しないし、また、変にポップとかを掲げてアピールするのも逆効果。あくまでも日常の姿でもてなすべき、っていうのはその通りだと思う。まぁ、もっとも『ガルパン』でお馴染みの大洗とかみたいに、逆に徹底的にやれば、それはそれでアリだと私は思っているのだけど。
結論、全てが中途半端だった『ラグりん』が失敗したのは必然だった! ……あれ? どこで話がズれた?(阿呆)

No.3987

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