(書評)異世界Cマート繁盛記

著者:新木伸



「よし、辞めたよう!」 ゴールデンウィーク初日、全てをやめることにした俺は、気付くと異世界へと紛れ込んでいた。親切にしてくれる異世界の人々に恩返しをするため、俺は小さな商店を開くことに。売るのは現代文明の品物。塩に砂糖に、コーヒー、レジ袋……
小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載されていた作品をまとめたもの。と言っても、著者は『GJ部』シリーズとかを手がけているベテラン作家なのだけど。そして、作品の形としては10頁程度で1章というような形式になっている。
なんというか……話そのものは何てことのないちょっとしたエピソードを……という感じ。ただ、何にもなさ、というのが心地良い感じ。
意外と作品の設定とかも語られておらず、(食事の面で)肉食系エルフと、異世界の金銭的価値とか、そういうものがわかっていない主人公の掛け合い。そして、現代文明の品への評価。この辺り、ある意味、アイデアの勝ちかな? と思う。
確かに、日本では塩だの砂糖だのって、対して高いものではないけど、それは精製技術、農業の進歩の結果。戦前とかなら、日本でも砂糖とか貴重だったわけで、そういう意味では異世界で喜ばれるってのはわかる。また、レジ袋なんてのも、普段使い捨てにしているけど、よくよく考えてみれば凄い技術の結晶だもんねぇ。逆に、日本では高額で取引されてるブランド物のバッグとかは、特に珍重されないとかっていうのもありそう(笑) まぁ、あくまでもゆるーく、そんなことをやっている作品なので、これを読んで『狼と香辛料』(支倉凍砂著)みたいなものを期待されると困るのだけど(いないとは思うが)
そんな物語は、終盤、異世界で手に入れた金を換金している質屋の娘・美津希ちゃんとのやりとりで終了。なんか怖いぞ、この娘!(笑) いや、悪い娘ではないのだけど、ね……。先ほどの、リアリティじゃないけど、確定申告とかしないと……って、そうだよな……。一瞬、別に異世界に生活の基礎を置いているから、大丈夫じゃね? とも思ったけど、日本に住所を置いていないと今の質屋とかで品物を売れないことに気付いた。
とりあえず、2巻も読もうと思う。

No.3994

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