(書評)ブックマートの金狼

著者:杉井光



東京・新宿のど真ん中に佇む「くじら堂書店」。その店長・宮内直人は、かつて、伝説のチーム「スカーズ」を率いて、裏社会に名を知られたトラブルシューターだった。今は引退した彼の元に、トラブルの依頼が入る。嫌々ながらも、その依頼、人気アイドルのストーカー問題を引き受けることになって……
ということで、「ノベルゼロ」レーベル刊行ラインナップの1冊。2ヶ月以上も寝かせる自分て……(苦笑)
まず、読んで思ったのは、著者の作品なのに、主人公がツッコミ役じゃない! ってことだったり。いや、『夜桜ヴァンパネルラ』とか、主人公がボケ役の作品もあるにはあるけど、とにかくボケ役がいて、という印象。それが本作では、非常にストレートな冒険モノという感じ。
冒頭に書いたように、物語は、アイドル・琴美がストーカーに追われて困っている、という依頼から開始される。実際、「迷惑なファン」は何人かおり、その者に情報をっている存在もいるらしい。しかし、その一方で、そんな迷惑なファンに制裁を加える者もいるらしい。そして、琴美はそれは兄がやっているに違いないという……
たしかに、琴美には失踪した兄がいる。しかし、情報を集めるとその兄は、あまりよろしくない者たちとつるんでいたという。しかも、兄の失踪と時を同じくして、その不良グループに琴美の母は大金を定期的に払っている。それはなぜか?
まぁ、なぜ琴美の母が金を払っていたのか? 資金も溜まっているのに、ボロアパートに住み続けているのか? とか、その辺りについては想像できるんじゃないかと思う。その意味で、謎解き、としては物足りなさがあるかも知れない。でも、主人公・直人、彼と一緒にかつて活動していたスカーズの面々のやりとり。そして、真相の中で、それでも自分の保身を考える、ある意味、プロとして根性の座った琴美の姿が非常に印象に残った。まだ、スカーズのメンバーが全員出ていないし、続編も期待していいのかな?
……しかし、考えてみれば、主人公が書店の店長というのは、序盤こそ調査中に書店員としての視点が出てしまった……というのがあったのにだんだん薄くなっていったような……

No.4004

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  • 2016.04.29 (Fri) 09:21 | 刹那的虹色世界