(書評)トリックスターズD

著者:久住四季



城翠祭。日本で唯一、魔学部を持つ城翠大学の学園祭。天乃原周は、凛々子らと回っている最中、意識を失ってしまう。気付いたぼくが閉鎖された校舎。日の光すら入らない、閉鎖された校舎を彷徨う学生達。そして、1人、また1人と姿を消していって……
ということで、物語は冒頭に書いたように閉鎖された校舎からどう脱出するのか? という話。魔術による結界が張られているらしく、ドアや窓などがあかず、日の光すら入らない。そして、校舎内に取り残された者は消えていく……。佐杏が学園祭で、召喚魔術をやると言っていた。ということは、その影響? そういえば、しばしば、謎の影が……
上手いこと設定を構築されたなぁ、というのが何より。そして、今回は佐杏先生の出番が殆どねぇ!(笑) 何しろ、今巻は校舎の外にいるから。
とにかく、設定を構築された、と感じるのは小道具とか、そういうものが全て寄与している点。ミステリ研で発表されたのが『トリックスターズ』『トリックスターズL』という小説。それは、周らを実際の名前のままに登場させ、城翠大で起こった起きた事件の顛末を描いたもの。勿論、内容としてはこのシリーズのそれ(笑) その一方で、語り部であるぼくは、それはあくまでも創作に過ぎないと言う。結果、読者としてはメタミステリ? はたまた、召喚によって現実と創作が入れ替わった? などとひたすら戸惑わせる。そして……
真相の部分については、勿論、その可能性は考えていた! ……しかし、それはある事情から否定できるはず……と思っていたら、その設定があったのを忘れていた! という感じでひっくり返された。悔しい! ただ、先ほどまで書いていた、「これは?」というところの謎が一気に解かれた快感は確かにある。
メインとなる部分はシンプルだと思うのだけど、これまでの設定とか、そういうものを上手く詰め込み読者を混乱させる作品に仕上がっている、と感じる。

No.4008

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