(書評)食せよ我が心と異形は言う

著者:縹けいか



十年前、世界を救った少年達。「英雄」と呼ばれる彼らの一人で、現在はアイドルとして活動する少女・珊瑚アカネが、そのステージ上で惨殺される。その事件は一ヶ月前、十年前の戦いで犠牲となった月白カノが、その時の姿のまま、黒羽園の前に現れたところから始まる……
ノベルゼロレーベルの作品、これまで読んだ2作は現実的な話だけど、本作は完全なダークファンタジー。あとがきで、「萌えはなし」とあったけど……ぶっちゃけ、『モーテ』シリーズとかも似たようなもんじゃね?(笑)
とは言え、だ……
すっげぇ胸糞悪い話だなぁ。
黒羽園の前に、十年前の姿のまま現れた月白カノ。しかし、十年間の間の過酷なときを経て、彼女の心は完全に壊れていた。そして、そんな彼女の身体についた「口」。それが黒羽園に知らせたのは……
人類を襲う異形のモノ。その目的は、人を狩ること……ではなく、その中で人々が抱く「恐怖」。その恐怖こそが、異形のものの食事であった。そして、圧倒的な力を持つ異形に適わないと悟った少年達が選択したのは、カノを犠牲として差し出すこと。そして、十年間、死ぬことを許されないままに、ただひたすらに拷問をされ、「恐怖」を提供し続けて……
一応、フォローしておくと、黒羽は、異形の存在との戦いをしていたのだけど、途中で負傷し、意識不明になった。そして、その間に戦いは終結。その間に、カノは死んだ、とされていた。カノと共に……と思っていた黒羽に唐突に突きつけられた「仲間」と思っていた者たちの裏切り。そして、復讐へ……
まぁ、英雄って何なんだ? というのはある。確かに、胸糞は悪いけど、でも、世界を救ったのは事実。そして、そもそも、そういう存在になるっていうのは、エゴとかそういうのがあってナンボだろうし……
まぁ、ここまで胸糞悪い話は、普通のレーベルでは出来ないかも知れない。でも、そのインパクトこそ、この作品の武器なのかな? と感じる。

No.4019

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