(書評)はたらく魔王さま!14

著者:和ヶ原聡司



シリーズ番外編短編集。全6編を収録。
正直、ここのところ本編シリーズが異世界に行ったり、はたまた、心情描写メインだったり……と話が進まないところが多かったので、むしろ、番外編シリーズの本作の方が当初の味を持っているように感じる。ただ、結構、収録作の時系列はバラバラだったりする。
1編目は、千穂と恵美が仲良くなる、という話だけど、これは第1巻の直後の話。多少、後付という気がしないでもないのだけど、まだ1巻が終わった頃だと恵美が完全に真奥と打ち解けたとは言えない時期。そんな時期に、恵美が千穂の想いを汲み取って、「あなたの想いを止める権利はない」と言っていた辺りはちょっと意外。
作品の当初のカラーがこれでもか、と生きているのは4編目。いつものようにマグロナルドへと出勤する真奥。しかし、その姿に違和感が……。そう、真奥のジーンズには穴が……
芦屋が丁度、不在にしているタイミングだった、というのはあるけど、皆が「芦屋がいながら何てことだ!」と言う辺りに笑った。……いや、魔王の片腕の仕事じゃないよ……。そして、戻ってきた芦屋の見事すぎる処置……。タイトルじゃないけど、「敵幹部の力に驚嘆する」だよ、うん。同じようなカラーは2編目もそうなのだけど、分量の多い、こちらの方がインパクトがある、かな?
世知辛い、という意味だと5編目。売上が伸びないマグロナルドにやってきたのは、センタッキーのマネージャー。そして、そのマネージャーに木崎店長が激怒して……。基本的には、幼い頃からのライバル関係だった、ってことが語られる話なのだけど、成績とか凄くよかったけど、就職氷河期で……とか、その辺りの前提が世知辛すぎる……。作中の時間軸は2010年ごろで、ってことになると……色々と自分のことまで思い出してしまうし……(苦笑) ともかく、何だかんだで店長が真奥に影響されているとか、そういうところもあったし、掘り下げとしては十分な出来だろう。

No.4032

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