(書評)クリーピー スクリーチ

著者:前川裕



琉北大学の職員である島本は、学生部の職員・柳瀬唯からの連絡で、御園百合菜という学生が指導教授からセクハラを受けている、という相談を受ける。例外的なことではあるが、ゼミの異動について相談を始める島本だが、その御園は惨殺体となって発見。さらに、その後も、女子大生を標的とする連続殺人に発展。しかも、その事件では獣のような金切り声が現場に残されていた……
著者のデビュー作『クリーピー』の続編のように感じるけど、あんまり続編っぽくない(笑) 一応、『クリーピー』の主人公である高倉は登場するけど、事件に関わろうとしないし、主人公は冒頭に書いたように大学職員の島本。
「クリーピー」というタイトルは、「恐怖のためぞっと身の毛もよだつような」というような意味があるのだけど、正直、今回はあまり「恐怖」とを感じなかった。確かに、大学を舞台に次々と事件が発生する。けれども、物語の中心にあるのは、主人公・島本の学生部職員・柳瀬唯に対する恋慕、そして……という感情。
正直、なんだかなぁ……という感じ。
そもそもが、島本の恋慕自体がかなりしょーもない勘違いから、という感じだし、一方で、唯は唯で色々と無理のある設定だし……。何か、中心となる二人の、どちらにも感情移入できないままに話が進んでしまった。はっきり言って、勝手にやってくれ、という感じ。
しかも、じゃあ、連続殺人の方は、というと……こちらはこちらで何だったの? というオチ。事件の際に聞こえたという金切り声とか殆ど話として意味を為していないし……。何よりも、第一の犯行の時点で、色々と物証が残っていそうな気がするのは私だけ? 警察が真面目に仕事をしていれば、そこで終わっていたんじゃないか? と思えてならなかった。
著者の作品で、最終的に、結局、何だったの? と思った作品はいくつかあるのだけど、今回に関しては恐怖とか、そういうのもないし、ただ、強引に説明しただけのように思えてならなかった。

No.4044

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