(書評)先生、大事なものが盗まれました

著者:北山猛邦



島に3つある高校の一つ・灯台守高校へと入学した雪子。学校は違っても、探偵高校こと御盾高校に進んだチトセ、怪盗高校こと黒院高校に進んだシシマルという幼馴染は相変わらず仲良し。そんな中、島でも伝説となっている怪盗フェレスが、アートギャラリーに犯行後カードを残した。雪子は、幼馴染と共に調査を開始するのだが……
かなりトリッキーな作品だな、というのが何よりも。
犯人が怪盗で、何かを盗んだ! となると、どうやって盗んだのか? というハウダニット。誰が盗んだのか? というフーダイット。なんで盗んだのか? というホワイダニット。この辺りになると思うのだが、この作品の場合、「何を盗んだのか?」ということ。
例えば、冒頭にも書いた1編目。島のアートギャラリーに残された犯行後カード。しかし、アートギャラリーは廃業しており、唯一、そこに残された彫刻もそのまま。一体、何が残されたのか? そして、同じようなカードが残された場所は2箇所。そして、その2箇所では……
導入編ではあるんだけど、「何が盗まれたのか?」という謎が意外すぎてインパクト抜群。
とにかく、この作品の場合、盗めるものは何でもあり、というのがポイント。というのは、宝飾品とか、そういう物体だけでなく心とか記憶などというもの。さらには、概念まで何でもOK。故に、何か盗まれたらしい、とわかってもそれがわからない。逆に言えば、それがハッキリすることで、犯人も……と繋がっていく。ただし、その盗まれたものが何でもアリなだけに、それを想像しづらい、というのが最大のウリと言える。
まぁ、物語のカギとなるヨサリ先生の過去とか、そういうのに今後、話が広がっていくのは確実なのだけど、第1作たる本作に関しては、とにかく、何でもアリという怪盗の世界を垣間見せた、という感じ。この感じであれば、今後、さらにトリッキーな話になることも期待できそうで楽しみ。2巻にも期待。

No.4051

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