(書評)パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす

著者:原田曜平



ハロウィン、リムジンパーティー、ラブホ女子会……消費意欲がないといわれる若者の間で生まれる巨大な消費。その火付け役が、パーティーピープル(パリピ)である。企業も注目するパリピについて解説した書。
とりあえず、著者が言うところの、SNSなどが発達したこともあり、その口コミなどの影響力が増した。そして、その中で影響力の高い人間の言葉などで消費が左右される。これ自体はあることだと思う。うちなんかは、大した影響力があるブログじゃないけど、こんな過疎地のブログにも「献本するから、感想を書いて♪」みたいな連絡が来たことは何度かある。その何百倍、何千倍と影響力を持った人物が、消費の動向に影響をすることは当然にあるだろう。
しかし、本書の内容は、いつも通り「だから何なの?」「結局、パリピって何なの?」以外の感想がない。
というのは、第1章。パリピがこんなものをはやらせました! というのを連呼しているのだけど……すいません、そもそも、私、ここで出ているもの、殆ど知りません。いや、まぁ、それは私のアンテナが低すぎるだけ、っていう言い方も出来るんだろうけど少なくとも一大ブームみたいなもの、とは言えないような。そして、何よりも疑問なのは、「パリピが広めました!」ってのは本当なの? 「○○はこういうモノです」という紹介がされるだけで、どういう風に広めたのかサッパリ説明されない。3章で、著者が聞いた(と言っている)パリピやらサーピーやらと言った面々の台詞などが出ているだけに、だったら、ハロウィンでも、リムジンパーティーでも、実際にどういう経緯を経て広まったのかを示せば良いのに……と私は思うのだけど……
そして、第2章では、トレンドリーダーの系譜と称するのだけど、ここにも違和感。というのも、ここについて、極めて狭い範囲内での話しか展開されないため。過去はこうでした、というのは、各年代のせいぜい1人か2人の人がこういっていただけ、というもの。しかも、その人は首都圏在住の私立大学卒業という極めて特殊な人間の証言。……それで言い切れるの? っていうか、ぶっちゃけ、その人って著者の勤めている博報堂辺りの関係者だけじゃないの? と思えてならない。それを一般化できるのかなぁ?
まぁ、本書を読んでいて分かったのは、著者の言っているものの基本は、本書でも出ている従来からの「イノベーター理論」の各プレイヤーに別の名前をつけ、それぞれの基準をあいまいにして「ちょっと違うんだ」と言葉遊びをしているだけ、というもの。勿論、先に書いたように、実際に何かが流行したとき、こういう流れがあったとかが示されるならまだしも、そういうのがなく、どこの誰がどういう基準で分けたのかもわからない「パリピはこういう人」という主張が出ているだけで何の役に立つのか理解できない。
最後に、著者の書は、これまでも何冊も読んできて、いつも通りのパターンとして「今後、これが流行ると思う!」という予測(?)が載っているのだけど、そろそろそれを検証してもいいんじゃないかと思う。著者の過去の書は、ほぼ必ず「消費の主役は○○」とか、「○○が経済を動かす」とかいうタイトルになっている。著者の分析が正しいなら、もう、大々的にヒットした「予測」があってもいいんじゃなかろうか?

No.4055

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト

COMMENT 0