(書評)異世界拷問姫

著者:綾里けいし



「我が名はエリザベート・レ・フェニュ。誇り高き狼にして卑しき牝豚である」 死後、異世界転生した瀬名櫂人の前に現れた美少女。「拷問姫」を名乗る彼女は、櫂人に従者になるよう迫る。紆余曲折ありながらも、従者となった櫂人は、エリザベートの身の回りの世話をしながら、彼女の使命、14階級の悪魔とその契約者討伐に付き合わされることに……
著者の名前は知っているけど、読んだことがなかった私。後味の悪い、胸糞の悪い話が多いと聴いていたのだけど、本作についてはそんなでもないかな? という感じ。
いや、まぁ、主人公の死がそもそも、悪辣なことをしていた父に巻き込まれ、その結果、拷問を受けて、だし……エリザベートにしても、使命を果たすのは正義の味方だから、とか、そういうことじゃなくて、14階級の悪魔と契約者を倒せば「死ぬことが出来る」から、というもの。そういう意味では、ダークではある。
実際、キャラクターがナチュラルに狂っている部分があるのは事実。エリザベートは拷問姫と呼ばれ、実際、多くの人間を拷問によって死に至らしめた、というだけあって人が死ぬこと自体には対して興味を持たないし、食べ物としてみることも厭わない(食わないのは、不味いから) 櫂人にしても、結構、ドライなところがあり、自分自身が死ぬのも厭わない、というか、むしろ死にたいくらいの部分を持っている。そして、途中から参加するヒナは……色々とヤンデレだし(笑) そんな面々が、悪魔との対峙をして……
正直、これ続編があるのかどうかわからないのだけど、話としてはここで一区切り、という感じではある。櫂人が、一歩成長した、というのもしっかりと描けたわけだし。確かに、主人公が言うように、異世界に来て、その経験をつめば、かつての関係とは異なって当然だよな。胸糞悪い、というよりも、むしろ、スカッとした、という感じすらする。
ただ……その上で、悪魔を倒したところで、それで迎えるのは死という結末を持った面々。その行く末がどのようになるのか、それを読んでみたい、という気持ちもある。

No.4065

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