(書評)ママっ子男子とバブルママ 新しい親子関係が経済の起爆剤となる

著者:原田曜平



母親と仲の良い男子が増えている。母親と買い物に行く、なんていうのは当たり前で、恋の相談や二人での旅行に行ったりすらする。従来、そういうと「マザコン」などといわれたものだが、それを恥ずかしがるどころか、アピールすらし、また、同世代の女性もそんな関係を好ましく思っていて……
いつも通りの内容。即ち、中身のない言葉遊びに終始し、世代間ギャップを煽っているだけ。そして、本書に関しては、いつも以上に著者の「やっつけ仕事」っぷりが光った一冊に仕上がっている。
ということで、どう「やっつけ仕事」なのか、から説明したいと思う。
まず、本書の構成であるが、これは過去の書、最近で言えば『パリピ経済』と全く同じ。第1章で「現実」と称して、こんな状態です、というのを示し、第2章で歴史(と主張しているもの)。第3章で座談会をし、第4章で商品・企画の提案。全く構成が一緒である。それだけでも「やっつけ仕事」だな、と感じられるのだけど、中身はもっと酷い。というのは、過去の書は、それでも著者の自分の言葉で、聞き取りなどをした結果をまとめていたのだが、本書は、ただ、聞き取った相手のセリフを延々と並べるだけ。しかも、同じ人物の、全く同じセリフが繰り返し載っていたりする。それって、たいした標本数すら確保していないんでしょ? としか思えない。
そういうわけで、中身は薄いし、読みづらいし、という本なのだけど、今の若い男は昔と違って母親と仲がよく、それを画したりもしない。昔の「マザコン」像とは別物だ、と主張してる。……で疑問なのだ。
昔の男性は、そんなに母親との関係が悪かったの? マザコンと言うけど、そのイメージとして描かれるのはドラマ『ずっとあなたが好きだった』で、佐野史郎氏が演じた「冬彦さん」って、そもそも、そんな奴おったんかいな? と思わずにはいられない。本書の中で、「ママっ子男子」は母親と仲がよいけど、進路とかそういうのではせいぜい「参考意見程度」っていうけど、昔だって、そんなものじゃないのかな? むしろ、その程度で仲が良くても博報堂辺りが、「気持ち悪いマザコン男」みたいな扱いをしたがゆえにアピールする人が少なかっただけ、のように思えてならないのだが……(この辺り、『新・オタク経済』で思ったことと全く同じ)
例えば、「パラサイトシングル」論とか、お金がない若者が親の援助の上で贅沢をする、というような議論っていうのは昔からあったわけである。それを考えると、議論の目新しさもないし、しかも、本書のやっつけ仕事っぷり。普段から批判的な感想を書いている著者の本だけど、この本についてはハッキリと「コレは酷い!」と言えるだろう。

No.4074

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