(書評)くじらな彼女に俺の青春にぶち壊されそうになっています

著者:銀南



「先輩はくじらぶかです。だからマッコウクジラ団に入ってください」 高校2年になって早々、目の前に現れた新入生・笹美々めめはそんなことを言い始めた。勿論、無視をしていた海人だったが、部活案内に現れた彼女に恥ずかしい秘密を暴露されてしまう。仕方なく、マッコウクジラ団に付き合う海人だったが、そこは学園で起こる解決する、という活動をしていて……
うーん……新人賞に応募した作品が元になっている、と言うのは良くわかる。悪い意味を含めて。
こういうと何だけど、とにかく、色々な要素を詰め込もうと思ったのだろうな、というのはわかる。物語の基本線は学園で起きた不思議な出来事の解決。そして、そこに持ち込まれるのは、陸上部の部員達が皆揃って不調になってしまった、という出来事。そこから、謎の黒い物質で不調にしている奴を捜す、というところへと繋がっていって……と……
ただ、そこに唐突にラブコメ展開が挿入されてみたり、でも、バトルがメインだったりでテンションの移り変わりが激しくて、どうにもノり切れなかった。
と、同時に、本作を読んでいて気になったのが、物語全体を通して説明が後だし、後付っぽく感じられた、ということ。
冒頭の「先輩はくじらぶかです」発言もそうなのだけど、いきなりそういわれたら主人公じゃなくとも「は?」となる。そして、どういうことなのかわからないままに秘密を暴露されたら「ふざけるな!」ってことになるだろう。そこまでは良い。それが、物語上、極めて大事な秘密で、それが物語の核として最後まで引っ張る、というのならば、それも勿論、わかる。ところが、中盤でアッサリとその秘密は説明されてしまう。そして、今度は、神話とかそういう方向まで出てきて、それも後付気味に……
矛盾した言い方になるのだけど、文章自体は読みやすい。
でも、どこへ向かっているのか、そういうのが不明で読みづらい。
そんな相矛盾した感想を抱いた。

No.4077

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