(書評)炎上チャンピオン

著者:横関大



「悪いことをしたら、プロレスラーみたいになっちゃうわよ」 相次ぐ不祥事の発覚、そして、その挙句のプロレスラーによるコンビニ立て籠もり事件。その結果、10年前、プロレスは、当時のトップレスラー、ファイヤー武蔵の「自粛宣言」により、その活動は日本から消え去った。食べるにも汲々としている元プロレスラーたちが、何者かに襲われる「プロレスラー狩り」が発生。そのような中、ストーカーのせいで職場を追われた小梅は、元レスラーが経営する便利屋で働くことに。一方、プロレス雑誌の編集者であった前園は、立て籠もり犯として逮捕されていた流小次郎の出所を知り、彼を追う……
結構、トリッキーな設定の作品だな、と読んでいて思ったり。というのは、立て続けに起こったプロレスラーによる不祥事の結果、プロレスが消え去り、それどころが忌み嫌われる国に……。ぶっちゃけ、この辺って、現実では、アニメとかゲームとか、そういうものに対するものだよな……(それでも、今のところ、ここまで酷い状態にはなってないけど)
物語は、プロレスラーの便利屋に組み入れられる小梅。出所した流に接近するっ前園。そして、便利屋に依頼する主婦の真帆。3つの視点でつづられる。そして、その中で行われるのは、真帆の息子の誘拐事件。さらに、自分は冤罪であると訴える小次郎。そして、相変わらず続くレスラー狩り。
早い段階から、レスラー狩りは小次郎だという武蔵。一方で、前園視点で綴られるのは、決して粗暴でも何でもなく、ただ、真摯な姿の小次郎像。そもそも小次郎は初期のレスラー狩りのときは、刑務所の中。となると……? という部分で読ませたのは事実。まぁ、武蔵は武蔵で、何か胡散臭いところがあるし……、で、どうなるのか、と思ったら……
これはどうなんだろう……
確かに、現実の今でもそうだけど、人気が低迷し、観客が減りつつあるプロレス人気を復活させるためには大仕掛けが必要、というのはわかる。そして、そのための緻密な作戦であるのも分かる。でも、それでこんなことになれば……という極めて危ういやり方なのは確か。上手くいきすぎじゃないか? というのは思う。
そして、それよりも気になるのは、レスラー狩りとか、そういう部分についておざなりであること。立て籠もり事件とか、結局、どこまでが真実なの? という感じがするだけに……
それも含めて、プロレスとは……みたいなことを描いた、となるのかな?

No.4086

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