(書評)犬は書店で謎を解く ご主人様はワンコなのです

著者:牧野修



頭はキレるが、周囲の人を劣った存在として見下している青年・萩兎。そんな彼が、飼い犬であるハルトと散歩をしていると、彼らを落雷が直撃! 気付くと萩兎とハギトの人格(?)が入れ替わってしまった! リハビリを経て、書店員でアルバイトを始めたハギトだったが、その周辺で事件が相次いで……
一応、連作短編ということで良いのかな? 一応、各編で謎は解かれるのだけど、しかし、犯人が逃亡しちゃったり、とか、そういう感じで、スッキリとは終わらず、それが最終編で……という構成になっているため。
主人公が、従順な犬のハギトの方、ということもあり、知識とかそういうものは不足。ただ、凄くお人よしで、本来は主人の方の萩兎についての賞賛などがされると(ハギトより、萩兎の方が優秀、みたいに、犬の方が褒められたケースでも)喜んでしまう。そして、基本的にはおバカな発言なのだけど、時々、確信をつくようなハギトの言葉。そのあたりの、ハギトの可愛さ、というのが前面に押し出されているように思う。まぁ、萩兎じゃないけど、「ちょっと考えてものを言えよ!」という容疑者提示、「犯人はこの人?」というやりとりが長い感じはしたけど。
放火騒動と居なくなった飼い犬、という1編目。事故を起こし、借金を作ってしまった息子に悩む夫婦、の2編目。失踪した夫という3編目。それらを通して、見え隠れするのが、正体の見えない放火魔。そして、その中で出てきたのは……
上に綴った事件でも結構、凄惨なものはあるし、悪意も悪人もあるのだけど……全体的にはハートフル。ところが、最後の犯人は……そういう感想をぶっとばす見事な狂気でインパクト抜群(笑) いろんな意味で怖ぇええ(笑)
正直、終盤の魂の入れ替え、とかそのあたりの連続はちょっと無茶苦茶な気がしたけれど、それはご愛嬌、かな? 
そうやって考えると、ハギトの可愛さと、犯人の狂気っぷり。見事なまでにキャラクター性にひきつけられたなぁ、と思うところ。

No.4088

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト

COMMENT 0