(書評)ふあゆ

著者:今慈ムジナ



心因性相貌誤認症。それは人の顔を認識できず、動物や無機物と言ったものとして認識する病。そんな病を抱えて生きる少年・龍胆ツクシは、ひょんなことから街で起きる連続猟奇殺人の現場を目撃してしまう。犯人は、ハシビロウの頭をした者。しかし、それは彼以外には伝わらない。そんなとき、少女の姿をした怪異がツクシの前に現れて……
第10回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。
まっちゃう、まっちゃう。
いや~……これ、すっげぇ語りづらい(笑) 作品のすべてを完全に理解できたのか? というと、自信がないし、その一方で、色々と語ることでネタバレもしそうで怖いし。そう思って、他の人の感想を見たら、やっぱり、結構、悩んでいるみたいな感じだった(笑)
ともかく、主人公は冒頭にかいたような病を抱えた身。しかも、「心因性」ということもあり、身近な、普段から関わっている人ならば、ほぼ確定したイメージになるものの、その時の雰囲気とか、そういうので同じ人間が別に見えたりもする。なので、犯人を目撃しても、他の人には説明できない。そもそも、日常会話などでも相手の容姿とかがわからないのだがから、てきとーな受け答えに終始するしかないことも。だからこそ、少女の姿で現れた存在は「怪異」として認識する……。この辺りが前提。
その上で、事件に巻き込まれたツクシ。行く先々で、ハシビロウが現れて、大切な存在を殺していく。逃亡して、情報を得て、しかし、仲間を喪って……そうやってたどり着いた真相……。タイトルの意味、主人公の病の意味、そのことで生み出されたすれ違い。そのあたりの切なさ。そして、その中で、ツクシが一貫して想いを抱き続ける幼馴染・タクミの燐とした美しさ、のようなものは非常に光っている。
ただ、その一方で独特の台詞回しとか、極端に展開する構成とかで、情報の整理がしづらく、多少、読みづらさも感じた。先に書いた、完全に理解できたのかわからない、というのもそのあたりに由来する。
それを含めて、独特の世界観を持っている、というのは間違いないと想う。

No.4089

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