(書評)廃校の博物館 Dr.片倉の生物学入門

著者:二宮敦人



家族関係に悩む小学生の圭太は、まだ名もよく知らないクラスメイトの達也に秘密基地につれられる。元は小学校だったというそこには、多くの化石や剥製が飾られ、そして、大学の講師だったという片倉という男が住み着いていた。そんな秘密基地に、殺人鬼、口裂け女、エスパー犬といった事件が持ち込まれ……
という連作短編集。全4編を収録。
あ、悔しい!
何か読み終わって、まず思ったのは、すっかりそのパターンが頭から抜けていたことに対する悔しさ。そうやって考えてみると、色々とヒントになることが挿入されていたことをに気付く。にも関わらず、というのが悔しい。
で、そんな物語は、小学生の圭太たちが町でこんな噂が流れている。それは本当か? というのを調査し始め、そのことについて、生物学者である片倉が、実際はこうだ、と解説するというパターンで展開。まぁ、謎解きと言うか、1編目の殺人鬼については、そもそも最初から片倉は答えを知っていたわけだし、3編目のエスパー犬についてのエピソードは有名なものなので、私でも知っていた。そういう意味ではかなり小粒と言える。
ただ、その中で子供たちと片倉のほのぼのとしたやりとり。そんなやり取りの中で語られる生物と人間の関係。見ているものの違い。そういうのは読み応えがあるし、そして、それがテーマなのは良くわかる。最終的なところも、そこに終結するわけだし……
まぁ、終盤の展開については、著者らしいブラックな展開へ? と思わせての真相。ここのところに、私は気付くことが出来なかった。正直、最悪な結末も予想していただけに意外な形でむしろほっとした気分。
で、他の方の感想を見てみると、裏表紙の粗筋で何となく予想できた、というのが散見された。私は、基本、文庫裏表紙の粗筋を読まないし、ブックカバーをかけるので目に入らない。確かに、読んでいたら同じになったかも知れない。
そういう意味では、裏表紙は読まないで作品に入って欲しいかな、と思う。

No.4090

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