(書評)スクールカースト殺人教室

著者:堀内公太郎



月曜の朝、西東京市の高校の教室で男性教諭が他殺体で発見された。校長は「良い先生だった」と言うが、生徒達の証言から明かされるのは、一部の生徒を贔屓し、逆にそうでない生徒はイジり倒す、そんな姿勢。校内が騒然とする中、保健室での手紙のやり取りをきっかけとして崩れだすスクールカースト。そして、第2、第3の死者も生まれることとなって……
著者の作品は、デビュー作を読んで以来、なのだけど、良くも悪くも、そのときのイメージそのまま、という感じ。
スクールカースト。学校内での立ち位置とも言うべきもので、上位の人間ほど、教室内で大々的に振舞え、下位に行くほど、それがしづらい。そして、それは同時にイジメに会いやすさ、とか、そういうものへも繋がっていく……。とりあえず、そんな感じの概念なのだけど、それをある意味では端的に、ある意味では極端に描き、混沌とした世界観へと持っていった、という印象。
こういうと何だけど、登場人物、それぞれがかなり身勝手で共感しづらいなぁ、という感じ。まぁ、教室内で、いや、会社内とかでもそうだと思うけど、自分が所属している場所で、少しでもそこを自分にとって居心地の良い場所としようと考えるのは当然だと思う。その中で、上位にいるけど、ちょっとしたミスで下に下がってしまう、という恐怖。逆に、これをチャンスとばかりに上位を目指す人間。そのようなゴタゴタがあるというのは当然だろう。クラスの女王とも言うべき少女の取り巻きが、現在は、最下層にいる存在に、昔、思いを寄せていたとバレたくない、とか、そういうのはわかる。
……なんだけど、やっぱり、極端と言う感じなんだよな……。そもそも、女王的存在の少女にしても、親が有名人で、多額の寄付をしていて……としても、そんなに権力を持てるものかな? と思ってしまう。ある種の治外法権的環境である学校って、それが逆になることなんて、多いと思うのだが……。そのあたりの無邪気さみたいなところに、デビュー作に感じたB級臭とか、そういうのを感じた。
黒幕は誰か? みたいなのは、正直、序盤からわかる。だって、この異様な環境の中で超然とした人物が一人だけ。その時点で、ああ、と思うわけで……。
そういう意味では、謎解きとか、ひっくり返しとか、そういうのよりも、B級テイストのある教室内での人間関係の混沌っぷりを楽しむ作品、と言う感じになるのかな? という評価になる。

No.4095

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