(書評)アオイハルノスベテ5

著者:庵田定夏



旧校舎の占拠騒動、廃校騒ぎ。それらを収めた、ということで、俄然、周囲からの注目を集め始めた浩人。そのような中、輪月症候群を巡り、共に行動していた美帆、まひる、葵は、それぞれが浩人に告白して……
シリーズ完結編。
……と言っても、物語的には、ほぼ4巻の段階で決着がついていたので、その上で、色々と積み残されたものを掃除した後日談、と言う意味合いが強い巻かな? と思う。
生徒会長の働きかけにより、かつてから存在していた輪月症候群を大事にしようとする派と、それをどうにか規制すべし、という派の対立。OBを交えて、過去、退学者すら出してしまったその争いに手打ちをしよう、というための会合。そして、そもそも輪月症候群とは何か? なぜ、旧校舎占拠騒動の際、その力が強まったのか? ということの解明。そんなところがメインに描かれる。
と言っても、話的には、ファッションショーをやったり、旧校舎に泊り込んで痕跡を探したり、という感じなので、文化祭とか、林間学校とか、そういうイベントのノリに近い印象。実際、そのための準備に忙殺される中で、浩人とヒロインたちとのやりとりとかが中心になったわけだし。それに、OBを含めた手打ちの決着は、そんなことで、ですか?(笑) まぁ、1巻のとき、プロレスで問題解決っていうのとノリが近いような気はする。
読み終わってみると、『輪月症候群』というものはあるのだけど、何でもないことに大笑いし、馬鹿騒ぎして、それが「青春」っつーことなんだ、っていうのがメッセージだったのかな? と感じる。それが、かつては斜に構えていた浩人の変化になったのだろう。はたまた、この巻の最後で出てくる、『輪月症候群』って何だかよくわからないけど、それで良いじゃないか、という部分とリンクしているとも感じるわけだし。
積み残しを回収し、わからないところはわからないけど、まぁ、良いか、と思わせる。こういう完結編と言うのも十分にアリだろう。

No.4099

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