(書評)クソゲー・オンライン(仮) 「運営は全員逃げたけど問題ないわ!」

著者:つちせ八十八



ごく限られたオープンテストと、期待を煽るキャッチコピーで多くのファンを期待させたMMORPG『ソード&マジック オンライン』。そのサービスが開始されて3ヶ月。喜び勇んでログインしたプレイヤーの評価はただ1つ。「クソゲー過ぎる!」。様々な致命的なバグを抱え、多くのプレイヤーは既にやめてしまっていた。しかし、そんなゲームを楽しむ少年・ササラキは、ゲームマスターを名乗る少女・アリスと出会い、自らもゲームマスターになる。運営は全員逃亡! 255層がある、と喧伝されたマップは1層しかない。そのような中、ゲームのサービス終了を防ぐために奮闘することとなって……
著者の前作『ざるそば(かわいい)』がとんでもない奇書だっただけに、どんなものかと思ったら……意外と普通だった。
冒頭に書いたように、バグやら何やらだらけで、運営スタッフも逃げてしまったMMORPG。プレイヤー数が1万人を切ったら、サービスは終了。しかも、2層以上がないから、1層をクリアさせてはいけない。普通に考えて、一般プレイヤーのササラキだって付き合う必要はない。しかし、いくらクソゲーとは言え、これまで知り合ったリズナ、アズラエルとも分かれなければならない。それは嫌だ……
とにかく、プレイヤーから運営側に近い立場になり、ゲームを守るためとは言え、プレイヤーを皆殺しにしていく、とか、はたまた、バグを「仕様」と言い換える。さらに、普段、一緒に遊んでいる二人にはバレないように色々と無理矢理な言い訳などをする。そのあたりの会話とか、葛藤とか、そういう辺りは前作のそれを彷彿とさせる。
まぁ、意外とアッサリと2人の仲間に運営側になったのがバレるのが早かったりと展開が速いな、と思ったところはあるんだけど、それはテンポに、ってことなのかな?
正直、前作と比べるとちょっとインパクトに欠ける感じはあるけどそれは読みやすくなった、安定感になった、とも換言することも可能なのだろう。ただ、その中で……作中で脅威となっていた新MMOについてのオチには笑った。確かに、冒頭に伏線はあったんだよね(笑)

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