(書評)異世界詐欺師のなんちゃって経営術

著者:宮地拓海



悪運尽き、その命を消された……はずの詐欺師・ヤシロは、気付くと16歳の少年として異世界へと転生していた。そこは、「嘘が吐けない巨大都市」。もし、嘘をついた、と判断されると「精霊神の審判」により、カエルにされてしまう世界。持っていた金が原因で、偽造通過所持の疑惑を持たれたヤシロは、粗末な食堂に飛び込んで……
やたらと字の小さなあとがきで、「イチャイチャする話」とか書かれているんだけど、一応、お人よしで、人を疑うことを知らない食堂店主のジネットに協力し、その経営を立て直そうとする話……でいいと思う。そして、「小説家になろう」で連載していたものを加筆修正などして刊行した、とのこと。
……異世界モノとか、そういう辺りはなんかわかる気がする。
で、感想。
ええっと……前振り、長すぎじゃね? もしくは、もう少しボリュームが必要じゃない? ってことだったりする。
冒頭に書いたように、主人公が転生した世界では、嘘をついた、とみなされるとカエル(カエル人間)にされてしまう。そして、その存在は、仮に直前まで人間であったことを知っている者であったとしても、それだけで蔑まれる存在である。で、その「嘘」と判断されるかどうか、ということには法則性がある。
それが物語を進める上で非常に大事である、ということは良くわかる。ただ、その説明を終えるまでで、分量の半分近くを占めているので、どうにもバランスが悪いと感じるのである。結構、早い段階で、ヒロインであるジネットがお人よし過ぎるほどのお人よしで損ばかりをしている。そして、それに付け込んでいる者も居る、というのが明らかなだけに。
というと、マイナスな評価ばかりに思えるかもしれないけど、「嘘にならない」レベルで、相手を引っ掛ける後半の展開は面白いのである。ジネットに対して、クズ野菜を売りつけていた商会とのやりとりとか、大好き。だからこそ……
そういう風に感じられた。
2巻では、このあたりの欠点はなくなっている……のかな? そうなっていると信じている。

No.4107

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