著者:武田邦彦、池田清彦、渡辺正、薬師院仁志、山形浩生、伊藤公紀、岩瀬正則
京都議定書に基づき、CO2排出量の削減などが求められている。だが、本当に地球温暖化は進んでいるのか、その原因はCO2なのか? さらに、対策は妥当なのか? 「頭を冷やして考える」複数著者による著書。
本書ではまず薬師院氏の「地球温暖化は本当に起こっているのか?」「その原因はCO2なのか?」と言う疑問から始まる。すでに各種マスコミなどで「当然のこと」として言われている地球温暖化、CO2原因説に様々な反論があることが訴えられる。そして、アル・ゴア氏による『不都合な真実』の中にある問題点や環境保護団体などの対応の問題点などが挙げられる。さらに、対談などを挟んで対策の問題点が告げられる。
正直に言って私は、環境問題については詳しくはないし、また、本書自体も科学的な議論がそこでなされているわけではない。そのため、本書で書かれたことが全て正しい、と言うつもりはない。ただ、視点として極めて重要なものはあると思う。
例えば、人為的な地球温暖化そのものへの疑問。僅か数十年前には反対のことが言われていた。だとすれば、本当に人為的なものかどうかをしっかりと見極めなければならない。さらに、それがCO2によるものなのか、と言う部分も。さらに、それが原因と確定したのなら、今度は確実にそれを減らす対策を採らなければない。そこには費用対効果をしっかり見極めることも必要となる。だが、実際に、そのような部分は殆ど鑑みることなく「行動しなければ」とだけ連呼される。そして、実際に意味があるのかどうかわからない「行動」がされていく。著者らの言う「冷静な考え」と「行動」がなされいない現状は指摘されている通りだろう(最近の例で言えば、ガソリンの暫定税率の説明が「ガソリンが安くなると、皆が車に乗ってCO2を出すから」なんて暴論まで飛び出していたわけだし)
本書を読んでいて、私が何よりも感じたのは前日読んだ『
「若者論」を疑え!』(後藤和智著)の内容との共通点。環境、若者…と言う違いこそあれ、実際には疑問点の多いものがすでに「常識」化され、そして、その「対策」が効果の検証なしに暴走しているという構図が似ているように思えてならない。「何でも良いから動けばよい」ほど危険で意味のないものはないはずである。
最初にも書いたが、本書の内容が全て正しいとは思わないし、また、「詳しいことは拙著で」とか、そういう部分があったりで、ちょっと不満を覚える部分がないわけでもない。ただ、本書のメッセージそのものは極めて重要である、と思う。
通算1235冊目
テーマ : 読んだ本。 - ジャンル : 本・雑誌
渡辺正教授シンパへの第一歩おめでとうございます(←勝手な認定)。まずはあほみたいに温暖化、環境破壊を連呼する世の中で、懐疑的なスタンスをもっていただければそれで十分ではないかと。たこやきさんが書かれているようにそれだけの力がある読ませるといったら変ですが面白くわかりやすい観点を提供している一冊であろうと思います。いったん懐疑的なまなざしを向けるようになればあとは自然に見えてくるものがあるのではないかと。
遊鬱さんへ
正直、私自身が環境問題だとかに関して、詳しいわけではないので、ここで述べられている具体的な部分が正しいかどうか、は判断しかねる部分はあるんですよね。
著者らに対して、色々と反論、批判などはあるようですけど、本書のメッセージである、冷静に見極めて、実際的な対応をすべき、というのは、具体的な内容の正誤に関わらず重要なことだと思います。また、そういうものを通して冷静な見極めに繋がるのであれば、批判なども良いことだと思います(「ゴチャゴチャ言わずに行動だ」みたいなものは論外ですが)
そういう意味では、色々と考える機会を与えてくれる書じゃないかな、という風に感じました。
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