(書評)炎罪

著者:鏑木蓮



京都市内で、精神科クリニックを経営する山之内一蔵の自宅兼クリニックが全焼。そこから一蔵と思しき男性の焼死体が発見され、妻は行方不明に。周辺では放火事件が立て続けに起きており、その犯人として一蔵の患者である長門という男が発見される。だが、長門についても決め手に欠け、一蔵の自殺、さらには、妻による殺人説まで飛び出す始末。そのような中、女性刑事・片岡真子は、山之内医師の周囲でのある事故を発見し……
片岡シリーズ第2作。と言っても、前作『エクステンド』(文庫では『時限』に改題)から実に7年半。私自身、読んだことは覚えているものの、どういう話だったかは殆ど記憶の彼方。
んでもって、読んでいての感想。詰め込みすぎ。
Amazonとかの粗筋、自分が書いた粗筋でも、真子が山之内の周辺である事故があった、という話を書いているのだけど、そこまで進むのは話の中盤を過ぎた辺りから。その中で、真子がイマイチそりのあわない上司・井澤の強引な取調べにイライラする。逮捕された放火犯・長門の娘についての話とかが飛び交ってイマイチ、どこが主題なのか分からない。正直、長門の話は、異物混入事件と言う時事ネタ、さらに、それでクビになったために娘は貧困で……とか、中途半端に社会問題を加えてくるので……。正直、中盤まで冗長に感じられて仕方がなかった上に、長門の娘、その教師役を務める青年・日向の話が最後までイマイチつながりが見えなかったため、必要だったのかな? と言う風に思えてならない。
まぁ、そんな中で中盤以降、日向の話がちょっと鬱陶しいのを除けば、山之内周辺の事件。その共通点……というあたりでスピードアップして後半はなかなか楽しく読むことが出来た。犯人の抱えたもの事態は決して目新しいものじゃないけど、元々、ではなく……といった薀蓄も興味深く読むことが出来たし。
冒頭に、久々のシリーズ第2作と書いたのだけど、著者の作品を読んだのも久々(今、見返してみたら6年ぶり) 『思い出探偵』とかは結構、好きだったのだけど、この作品はちょっと外れ、かな?

No.4134

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