(書評)マシュマロ・ナイン

著者:横関大



3年前、身に覚えのないドーピング疑惑でプロ野球の世界を追われた小尾。東京都内の私立高校で臨時教員をしている彼は、ある日、校長に呼び出され、野球部の監督になるよう命じられる。ただし、野球部員は、暴力事件で活動停止となっている相撲部員を転籍させて……。パワーと食欲は桁外れだが、野球については素人を率いて甲子園を目指すことになって……
解せん……。木更津中央がコールド負け……だと……?(そこかよ) うちの職場に木更津中央(現・木更津総合)のOBがいるが、きっと読んだら怒り出すぞ(笑)
と、どうでもいいことはさておいて……前作『炎上チャンピオン』に続いてスポーツを題材にした作品を発表した著者。今回の物語は、大雑把に分けて2つの主軸で描かれる。
1つが、冒頭に書いたとおり、相撲部員を率いて野球をするという話。そこでも書いたとおり、相撲部員なのでパワー(と食欲)だけはある。しかし、持久力はないし、足も遅い。普通なら悠々とヒットになるであろう、外野前に落ちる打撃が出来てもアウト。当然、守備とかの技術もない。当初、オーソドックスに守備などを教えていた小尾だが、転入してマネージャーになった娘・茜の方針で、そのパワーでとにかく長打を狙う方向にやり方を転換して……
まぁ、細かいところにツッコミどころはある。そもそも力士って、ああ見えて筋肉の塊みたいな身体だし(野球向きの筋肉ではないとは言え)、ご近所のお年寄りで構成された草野球チームにも大敗するようなチームが半年でそこまで強くなるかよ! とか、突っ込みいれればキリがない。ただ、パワーだけでどんどんホームラン打って相手を叩きのめすチームに、っていうノリは素直に楽しい。ツッコミどころは気にするな、というのを織り込み済みで読んだので問題なしだし(だって、設定からしてツッコミどころ満載でしょ?)
もう1つの軸となるのが、小尾の過去、即ちドーピング疑惑。小尾がドーピングをしていたとは思えない、という記者の登場。さらに、高校時代、プロ時代のチームメイトと、小尾の別れた妻の心中騒動、後輩選手の自殺……。この辺りは、著者らしくミステリー作品としての味付けになっているのだけど、こっちはオマケみたいな感じかな? いくら何でも、そこまでは従わないだろう、と思えるところとかもあるし……
そういうのも踏まえて、やっぱり、ミステリ風味の味付けもある、青春小説という感じになるのかな? と思う。そして、その野球のところが楽しかったのでそれでよし!

No.4143

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