(書評)掟上今日子の婚姻届

著者:西尾維新



生まれたっての冤罪体質である隠館厄介は、その「冤罪」というテーマについて雑誌の取材を受けることに。そんな取材の中、厄介を取材をすることになった女性・囲井都市子は、かつて付き合った男性6人が、全員、破滅してしまった、と言い出して……
ということで、シリーズ第6作目。今回は厄介のターン。
このシリーズ、基本的には、事件が発生し、その謎を今日子が解く、というある意味、極めてオーソドックスなミステリなのだけど、今回はかなりの変化球を投げてきた印象。
今回、厄介が今日子に依頼したのは、都市子が付き合ったという人々は本当に破滅しているのか? ということ。ある意味、ネタバレかもしれないけど、書いちゃえ。結論から言えば、1人、死亡した人がいるものの、他は……、というもの。事故で怪我をし、引っ越してしまった……というが、大した後遺症が残るわけではなく、引越しの理由も親の転勤、とか、付き合った後に会社を潰した……と言っても、過去、何度も起業、失敗を繰り返している人で、現在、別の会社の社長して活躍している……などなど……。あるとすれば、死んだ人物だけ……
と言っても、失敗のようなことは連続して起きている。じゃあ、本当なのか? そして、その都市子の態度にある違和感の正体は何なのか? これまでの話は、ハウダニット作品なのだけど、今回に限ってはホワイダニット作品として成り立っている。こういうアプローチもあるのか、というのがまず印象に残った。まぁ、こう見ると、都市子さん、面倒くさい人だなあ、という印象ばかり残るわけだけど。
と同時に、短編ではどちらかと言うと事務的に謎を解いていた今日子の態度の変化とか、キャラクター小説としての面を強化した印象。てか、女性の過去を探って欲しい、とかであからさまな嘘をついてごまかすとか珍しい。一方で、後半の恋人モード、絶好調モードもまた新鮮だったし。
あと、今日子のボディガードって『推薦文』の主人公である守なのだろうか?

No.4145

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  •  掟上今日子の婚姻届
  • 掟上今日子の婚姻届 作:西尾 維新 発行元(出版):講談社 ≪あらすじ≫ 忘却探偵・掟上今日子、「はじめて」の講演会。壇上の今日子さんに投げかけられた危うい恋の質問をきっかけに、冤罪体質の青年・隠館厄介は思わぬプロポーズを受けることとなり……。 美しき忘却探偵は呪われた結婚を阻止できるのか!? (裏表紙あらすじより抜粋) 感想は追記からどうぞ。
  • 2016.09.14 (Wed) 19:50 | 刹那的虹色世界