(書評)ボーパルバニー2

著者:江波光則



傭兵部隊の隊長を務めるラスネイルは追い詰められていた。突如、奇襲をかけてきたバニーガール姿の女に部隊の大半を殺されてしまったため。中国の暗殺者稼業・呂商会の介入。ラスネイルは、部下のプリーストを使い、追い詰められる原因となったダイヤを現金化し、組織の建て直しをはかる。日本の裏社会の大物・灰人、呂商会への依頼人・グレイ、さらに巫女……。バニーガールに因縁のある者たちが揃い……
一応、前作の続き、ということで良いのかな? 前作の登場人物も登場するし……
ただ、多少、前作とは方向性が変わっているように思う。前作は、中国の裏組織から大金を横取りした悪ガキたちが、バニーガールに襲われ殺されていく、という話。その中で、享楽的で、破滅主義的な悪ガキたちの心情などが綴られる、というもの。
それに対し、今作は決して、将来を見据えて、というキャラクターばかりではない。しかし、目の前の状況を必死に打破しようとし、それなりに前を向いて進もうとする者たちの戦い。前作以上に、裏社会の人間同士の抗争という印象が強く描かれているように思う。
そして、話の流れとしても、前作と比べると大きく違っている。バニーガール、呂商会の存在は冒頭、ラスネイルが追い詰められて……というところで出るが。その後は、しばらく出番がなく、各勢力の動きが描かれるのみ。ラスネイルの支持により、呂商会に依頼したダイヤの持ち主・グレイの配下に接近したプリースト。しかし、そこでバニーガールに並ぶ戦闘力を持つ巫女に強襲される。一方で、ラスネイルのダイヤを現金化に手を挙げた灰人と、その下で飼われる疾鷹。さらに、バニーガールの小間使いでありながら、何かを考えている女・ティエン……
バニーガールと巫女。圧倒的な戦闘力を持つ二人の女との攻防戦を繰り返しながら、その背後関係を考える面々。ある程度の構図は見えているものの、何かしっくりと来ない。それはなぜなのか? そして、いざ、取引の日……
最終的にはそれぞれが死を迎えて……というのは前作のパターン。物語を裏から操っていた存在も、ある意味の衝動的な感情で……。刹那的な願いを持つ存在を操っていた者がそれで挫折するというのもまた皮肉が効いていて良かった。
もっとも、ある意味、物語の対立軸となっていた人物が、いつの間にかアッサリと死んでいてたり、とかサプライズというより、唐突に感じたところはあるけど……まぁ、良いか。

No.4153

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