(書評)ヒイラギエイク

著者:海津ゆたか



中学2年の夏、荻村出海は叔父の住む玉川村を訪れた。そして、そこで仁科美音と出会った。美音、その同級生である朝陽、燕、蓮華……4人の少女と過ごす夏休みの日々。そのような一瞬がずっと続くと思っていた……
第10回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。
なんか、中盤までのテイストと終盤のテイストが全く違ったものになってビックリ。
中盤までは、いかにも、なボーイミーツガールという感じ。幼い頃に一度だけ来たことがある玉川村。そこで出会った美音たち。おぼろげに覚えているのは「にっちゃん」と呼んでいた少女。もしかして……と思うが、4人の少女は皆「仁科」姓。この中の誰が? そんな思いを抱きつつ、しかし、虫取りやら、川遊びやら、天体観測やら……と騒がしくも楽しい日々を送ることに。ちょっとしたところに閉鎖的な村の因習などを感じつつも、その「にっちゃん」が誰なのか気付き、翌年の夏の再会を約束してその夏は終わった……
中学生の女子が虫取りやら魚釣りやらに興じるだろうか? とか思いつつも、騒がしくも楽しい日々、っていう感じは良く出ている。その中での、ほのかな恋心、というのも。そして、約束の翌年の夏……
何と言うか……物語の展開として、こういう流れがあっても良いとは思う。一応、騒がしくも楽しい日々の中に、村の因習を巡る伏線はある。……あるんだけど、何かあるらしい、というところどまりで、いきなりSF的な展開になってしまう。最終的に、村の掟とかもイマイチよくわからないままだし、姫がどういう存在なのか、という辺りもイマイチよくわからなかった。大体、村の人たち、そんな露骨なことをしたら却って疑わしくなるよ? とか思えてならなかった。
なんていうか、後半の流れを作り出したいのならば、もうちょっと分量をかけて世界観の構築をしておかないと、という感じがしてならなかった。前半の雰囲気が良かっただけに、後半の流れが雑に感じられてしまった。

No.4182

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト

COMMENT 0