(書評)遊園地に行こう!

著者:真保裕一



敏腕編集者であった加瀬によって奇蹟の復活を遂げた遊園地ファンタシア・パーク。そこでは、パルと呼ばれるアルバイト待遇の人々が働いている……
デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』に続く「行こう!」シリーズ第3作。っていうか、これってシリーズだったんだ……(笑) 話的には何も関係ないので、どれから読んでも大丈夫。
ただ、上に書いた『ローカル線で行こう!』と読んだときと同じような感想を抱いた。なんていうか、構成が似ているのかな?
前半の3章は、ファンタシア・パークで働く人々の物語。
顔に残った傷にコンプレックスを持つ青年・北浦。ぬいぐるみ要員なら……そう思って応募したが、配属されたのはインフォメーション・カウンター。渋々……だったが、という第1章。場内の劇場で踊るダンサーの遥奈。這い上がることを目指し、様々なオーディションを受けているのだが、先輩の怪我で主役の座が転がってきた。しかし、その先輩の怪我は嘘で、オーディションで大役を手にした、という噂を聞いて……? という第2章。深夜、遊園地の危機メンテナンス作業をする篤史。バツイチである彼は、同じく深夜の清掃作業員である弥生のことが気になるが……という第3章。
それぞれ、ちょっとた謎などがあり、それが解明されることでそれぞれ前に一歩進む。東京ディズニーランドのスタッフの話とかを聞いたけど、それをモデルにして、読後感の良いお仕事小説、という感じになっている。
ところが、そんな遊園地で謎の事件が発生。遊園地の歴史でも、僅か2年で社員待遇にまで昇進したという伝説のパル、魔女こと真千子について何かかぎまわっている者がいる。それも実在しないNPOやらを作り、かつ、悪評を広めようとするかのように……。その一方で、遊園地の施設の配電盤に発火装置が取り付けられる事件も発生。真千子の正体を探る者は? 発火装置を取りつけた者と同じ?
前半のお仕事小説と、後半のサスペンス。どうにも話が極端に転がりすぎて「うーん」という感じ。真千子が隠しているもの、についてはある程度、最初から分かっていたけど、そこまでして隠すことなのか? というところがある。また、事件についてはポット出で犯人が出てきた感じでどうにも……。まぁ、前半でそれぞれのパルを描き、そんな面々が一致団結する、という方向性へ持っていきたかったのはわかるのだけど、それをやるならもうちょっと分量が欲しかった、と感じた。
前半は面白かったけど後半は……『ローカル線』でも、そっくりな感想を書いていた……

No.4184

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