(書評)倒れるときは前のめり

著者:有川浩



日々のあれこれ、創作の裏側、愛する本や映画、ふるさと高知のこと……。著者のデビュー時から、90本余りの文章を収録したエッセイ集。
ということで、古い文章だと2004年くらいのものから、収録されている。そして、それぞれの話の後に、現在の著者からの補足が入れられている。
『三匹のおっさん』のエピソードにも取り入れたり、はたまた、自身のブログなどでも書籍の扱い、読書について、を綴っている著者だけど、本作の中でもそういう話が結構ある。実際、先日、ツイッターの方で、著者が主張している「読書感想文という宿題はやめるべき」に賛同したばかりなのだけど、本書の中にある「読書は遊びだ」というのも大賛成! 私自身、コミケの原稿などで何度も「読書って楽しい」と伝えるのはいい、でも、「他の文化はダメ」というのは単に反発を生むだけでメリットないよ! というのと共通している。
また、その辺りについて、巻末に収録されている書下ろし小説『彼の本棚』でも。読書が趣味、というと、別に映画とか、そういうのと同じなのになぜか「凄い」のように言われる。逆に、就職活動などでは「趣味なし」みたいに言われる。最終的に著者らしいほのかに甘い話なのだけど、冒頭の主人公の語りに「うんうん」と首肯してしまった。
あと、東日本大震災関連の話が多いのも印象的かな? 著者自身が、阪神大震災のときの被災者ということもあるんだろうけど、直後から、その時の経験を元にした色々な発言をしていたのだな、というのを改めて感じた。確かに、自粛、自粛つっても、それだけじゃ息が詰まるだけだし、逃げ場がなくなってしまう。経済とかも余計に停滞してしまう。丁度、今年(2016年)は、東日本大震災からは5年が経過したわけだけど、熊本で同じように大きな地震による被害が出て、これを書いている数日前にも鳥取で震度6弱という地震が起きたばかり。そういう意味では、色あせていないな、と思う。
基本、2頁~3頁程度の分量なので、ちょっと読むのにも良い分量だし、いいんじゃないだろうか?

No.4190

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