(書評)ゴースト・ギャロップ 蒼空の幽霊機

著者:富永浩史



帝国との戦争も終結。「弱視」を理由に軍を解雇された撃墜王・ヴェロスは、エアレースで日銭を稼ぐ日々を送っていた。そんな彼の前に現れたのは、十数年前に別れた息子・サウル。息子の前で格好をつけようとするヴェロスだが、レース中の事故で愛機を失うばかりか、ライセンスまで取り上げられてしまう。そんなとき、大公主催の大レース開催が決まって……
確か、以前に読んだことがあるな……と思って調べてみたら、著者の作品は9年前に一作読んでいた。お久しぶりです(笑)
物語はに、エアレース、即ち飛行機でのレースが舞台。なんというか、男のロマンというか、男ってずっと「子供」なんだな、というのを感じる物語。
なんていうか、主人公であるヴェロスが格好良いんだか悪いんだか……。十数年ぶりに出会った息子。つっけんどんに扱いながらも、息子の前で格好つけようとしたら……冒頭の結果。日銭を稼ぐ術を失い、知識はあるとは言え、整備とかは性に合わない。車の運転手をするけど、パイロットとしての性格もあり、強引な運転で客を怒らせてクビ。どういようもない親父。サウルもさすがに……
ところが、そんな中で、大レースを前に、使えそうな飛行機がある、となった途端、それを捜すヴェロス。そして、サウルもまた……。どうしようもない親父だけど、何だかんだで、息子もまた同じような性格をしている。そして、発見し、共に大レースへ参加すると完全に仲直り。このあたりの、父子なのだけど、どっちも根本的にはガキという交流が楽しい。そして、そんなどうしようもないヴェロスを諭してきた面々も振る舞いこそ大人だけど……そんな雰囲気が楽しかった。
まぁ、終盤の大レース中での、文字通り、「レースではなく、戦闘にしてでも」という状況。背景にある国際情勢。飛行機が「発掘」された遺産であり、それを再現することで……という設定。こういうものが解明されたか、というとそうとは言いがたい。一応のシリーズ化も視野に入れて、ってことなのだろうけど、単独でも上に書いたような物語を楽しむことが出来た作品。

No.4194

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