(書評)押絵と旅する美少年

著者:西尾維新



美少年探偵団の一員となって数ヶ月。個性的なメンバーとの時間にも慣れ始めてきた眉美。そんなある日、美少年探偵団の事務所に、巨大な羽子板が出現する。敵対勢力からの挑戦なのか? 果たして……?
美少年探偵団シリーズ第4作。
正直なところ、今回は謎解きも殆どなっていないような気が……。一応、生徒会長であり「美声」のナガヒロの掘り下げ巻という体にはなっているけど。
と、書いたところでわかるのだけど、そもそものところ、羽子板を置いた犯人は早い段階で判明。羽子板が発見される直前に眉美が出会った、眉美を罵った着物の少女。彼女は、ナガヒロの婚約者であり、小学生。犯人は、判明。動機としても、彼女がかつて、美少年探偵団に入団をしようとし、断られた腹いせだからだろう、ということに。しかし、あまりに巨大であるがゆえに、それを小学生が持ってこられるのか? そもそも、彼女には友達はおらず、協力者もいないはず。だから、ナガヒロは眉美に、彼女の友達になってやって欲しい、と頼むくらいなのに……
と、こうなると「どうやって運んだのか?」のハウダニットになるのだけど、実はその推理は殆どなく、あっという間に正答が判明してしまう。その代わりに多くの分量を割かれるのがナガヒロと婚約者の少女・湖滝の関係。
幼いころ(今でも幼いが)、家が没落し、ナガヒロの家と婚約関係を結ぶことで何とか生きながらえた湖滝の家。故に、婚約関係が破棄されれば……。その必死な状況が周囲へ問題を巻き起こし、そして……というのはわかる。そして、ナガヒロのロリコン話は……ここだけ聞けば、払拭はされるのだけど、でも……
最終的な眉美の勘繰りが正しいとすれば、ねぇ……
まぁ、正直なところ、話としては物足りなさを感じたのだけど、団長が湖滝を団員にしなかった理由。最後の眉美の勘繰りで救われた感がある。それが著者のうまさなのか……
それはそれとして、巻末に収録されているヒョータの試合を眉美が応援に行く話。個人的に、こっちのスポーツの応援の意味に関する眉美の考察というか、皮肉というかは……なんか、すっげぇ同感、と思ったり。

No.4198

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  • 押絵と旅する美少年 作:西尾 維新 発行元(出版):講談社(タイガ文庫レーベル) ≪あらすじ≫ 美少年探偵団六番目の団員となった瞳島眉美。団長・双頭院学、美声を操る生徒会長・咲口長広、料理上手の不良・袋井満、美脚と健脚を誇る足利飆太、寡黙な芸術家・指輪創作―強烈な仲間と過ごす日々にも、ようやく慣れてきた。しかしある日、探偵団の事務所に巨大な羽子板が出現。敵対勢力からの...
  • 2016.11.17 (Thu) 21:16 | 刹那的虹色世界