(書評)トイプー警察犬 メグレ 神隠しと消えた殺意の謎

著者:七尾与史



山中で一人の少年が行方不明になった。警察犬も投入されての捜索にも関わらず、発見されない少年に世間は、置き去りにした父親による虐待事件では、という疑惑が広がり始める。そんな中、ようやく遠く離れた山荘で少年が発見されるのだが、「犯人臭気」をかぎ分けるトイプードルのメグレは、意外な人物に反応して……
シリーズ第2作。
多分、冒頭の粗筋でピンと来る人も多いと思うのだけど、物語のスタートは今年(2016年)5月に実際に起きた事件がモチーフとなっている。行方のわからない少年。父親への疑惑。その中でメグレが反応を示したのは、警察犬を使って少年を探しているはずのハンドラー……
前作は、「こんな事件が起こりました!」というのは明らかな中で、メグレが「犯人はこいつ」と解答を示す、というところだったのだけど、今回はその流れに工夫をしてきた印象。メグレの反応は、ハンドラーが、と示している。しかし、そもそも事件って起きているの? 何をしたの? そんなところがまず謎として現れる。まぁ、プロローグで誘拐事件が描かれているので、それと関連するのは分かっているのだけど、それでも……となる。
そんな中で、その少年の父親が、作品の主人公の一人・綾香の先輩であることが判明。そんな中で出てくる先輩の誘拐犯疑惑。そもそも事件が起きているのか? というところで導入し、シリーズのキャラクター掘り下げによって物語を進展させる。その話の進め方は面白かった。
ただ……前作でもそうだったけど、「警察の仕事は証拠を探すこと」というのに、いきなり「あなたが犯人?」と聞いたら素直に自白してしまうところ。そして、ひっくり返しを狙ったのだけど、犯人のパターンが『バリ3探偵 圏内ちゃん 凸撃忌女即身仏事件』と同じパターンなのは……。ネタが被っている上に、さすがに説得力にも欠ける。
個人的に一作目よりは楽しめたのだけど……不満も結構、残るなぁ、という感じ。

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