(書評)わたしの隣の王国

著者:七河迦南



高校を卒業したばかりの杏那は、研修医である彼・優と共に日本有数のテーマパーク・ハッピーファンタジアを訪れる。楽しい一日を送るはずだった彼女の一日は、独りぼっちになった挙句、奇妙な世界へ迷い込み、奇妙な事件を見てしまうことで激変して……
うーん……色々と実験的なことをやろうとしているのはわかるけど……
物語は杏那、優、2つの視点で綴られる。冒頭に書いたように、テーマパーク内で優とはぐれてしまった杏那。気付くと目の前にあったのは、テーマパークのキャラクターたちが本当に存在している世界。イメージとしては、ディズニーランドとか、USJとかの舞台となるような世界が現実に出てきた、という感じか。
そして、そこでの入り口で、エドガーが殺害され、犯人が消失するというシーンを目撃してしまう。一方、杏那を捜していた優は、関係者以外立ち入り禁止の部屋で何者かに殺された役員の遺体を発見する。つまり、現実世界とファンタジー世界、2つの事件が同時並行的に進んでいく形で展開。
そういう形にしようとしているのはわかるし、その通りだから何だけど、文字通り現実的な形で検証が重ねられていく優のパートと、魔法とかそういうものも登場し、魔方陣パズルなどを解きながらとカラーの違いも鮮明に。そういう工夫はわかる。わかるのだけれども……
ただ、2つのパートが繰りかされるためにどうにもブツ切り感があること。さらに、魔方陣パズルとかがひたすらに繰り返されるために、どうにもダれてしまった。それに、過去の作品でもなぜかひたすら回文に拘ったように、今回もアナグラムとかに拘ったりとかするのだけど……なんか、著者のこだわりと自分自身の趣味の違いを感じてしまうんだよな……
ちょっと物語に没入し切れなかった感あり。

No.4208

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