(書評)捕まえたもん勝ち! 七夕菊乃の捜査報告書

著者:加藤元浩



念願かなって捜査一課に配属された新米キャリアの七夕菊乃。しかし、元アイドルという経歴も合って、お飾り扱いばかり。しかも、驚異的な洞察力を持つ心理学者・草辻蓮蔵と、FBI出身で報告書などにつてこと細かく要求してくるアンコウこと、深海安公の対立に振り回さればかり。初めて挑む密室殺人の捜査は一体、どうなってしまうのか?
著者は漫画『Q.E.D』(高田崇史氏の歴史薀蓄ミステリではない)などを手がけていた漫画家で、本作が小説家としてのデビュー作であるという。なるほど、確かに、キャラクター性を重視した作品という印象。
物語は、結構、テンポよく、というかポンポンと進んでいく。
子供の頃、兄が会社を潰した結果、金銭的に苦労し、ご当地アイドルになった菊乃。そんなアイドルとしてのデビュー曲を作ってくれた歌人が死亡し、その謎解きをすることに。その後、アイドルユニットは解散となり、菊乃はキャリアとして捜査一課に配属になる……。そして、そこでも複数の事件が。
一応、それぞれの事件でトリックがあり、という話ではある。ただ、どちらかと言うと、草辻とアンコウの対立。事件について、草辻、アンコウともに推理を立て、そして、常に草辻の推理が当たっていて、アンコウは最早、捜査一課の中で信頼を失った存在になっている。そのような中で、菊乃の立ち回り、というのがメインになっているように思う。
ただ……正直なところ、作中のキャラクターたちはともかくとして、読者としては作中で起こる事件の共通点は結構分かりやすくて、その裏にあるものも予測が簡単なんだよな……。最後にひっくり返されて入るのだけど、それも含めて予測できてしまうという、変なメタ構造で読んでしまった。
シリーズ化するのかどうかは知らないけど、キャラクターはいいだけに、もっとシンプルな構造の方が楽しめたかな? という感じがする。

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