(書評)硝子の太陽Noir

著者:誉田哲也



沖縄で活動家がひき逃げされたことをきっかけに広まる反米基地デモ。そんな情勢の中、新宿署の刑事・東は、「左翼の親玉」と呼ばれる男・矢吹近江の取調べを担当することに。だが、そんな直後に一人のフリーライターが、覆面をつけた集団に殺される事件が発生。そのライター・上岡は、歌舞伎町セブンの関係者とも目される男で……
中央公論社で刊行されていた「ジウ」シリーズ&「歌舞伎町セブン」シリーズと、光文社で刊行されている「姫川」シリーズのコラボ作品。中央公論社で刊行されたこちらは、冒頭の紹介文でもわかるように、歌舞伎町セブンシリーズ。ただ、作中、姫川や勝俣と言った面々も顔を出していて、事件そのものもリンクしている。もっとも、それほど絡みはないのだけど。
物語では明らかなので言うけど、殺された上岡は歌舞伎町セブンのメンバー。事件を受け、敵討ちのために動きだす歌舞伎町セブンの面々。そして、上岡が歌舞伎町セブンの一人ではないかと睨む東もまた、捜査陣ではないが独自に動き出す。その中で見えてきたのは、デモの主導者である砂川という男……
各章の始めに、ひょんなことから砂川の近くで行動することとなったライター視点の物語。新聞社で取材をする中、沖縄での問題を目の当たりにし、フリーへ転進。取材を進める中で、砂川とも出会うが、だんだんと砂川の行動は過激になって行き、そして、思わぬところから身動きの出来ない状況へと追い込まれていく。そして、そんな一方で、東、歌舞伎町セブンの面々は、矢吹の証言や、砂川周辺の動きを探り、実行犯を追うことに……
正直なところ、歌舞伎町セブンシリーズは、ある意味、『必殺仕事人』的な部分があり、警察をどう欺くか、というのがあるのだけど、今回は東がかなり黙認している感が強いかな? しかも、砂川の目的とか、大風呂敷を広げた割にはある程度、こういう目的だったのかな? 的なところで終わった感があるし……
最終的に謎が残されているのだけど……これは、続編に向けた伏線、なのかな? 正直、『ジウ』シリーズ、そして、『歌舞伎町セブン』シリーズと、どちらも結構、荒唐無稽なだけに、シリーズとして続けること自体がかなり無理矢理に思えて仕方がない、っていうのが正直なところではあるんだけど。

No.4214

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