(書評)硝子の太陽Rouge

著者:誉田哲也



祖師谷で起きた一家惨殺事件。捜査を担当する姫川班は、しかし、苦戦をしていた。地下アイドルをしていた娘のファン、兄の交友関係……そのような中で、事件周辺で動いていたライター・上岡の存在が浮かんでくる。しかし、その直後、上岡は覆面をつけた集団に殺害されてしまって……
中央公論社で刊行されていた「ジウ」シリーズ&「歌舞伎町セブン」シリーズと、光文社で刊行されている「姫川」シリーズのコラボ作品。こちらは姫川サイド。どちらかと言うと、こちらの方がコラボっぽくなっているかな? だって、上岡の事件は歌舞伎町セブンサイドの話だし。
ということで、ちょっとネタバレっぽくなってしまったけど、祖師谷の一家殺人事件が進展しない中、代々木の上岡殺害事件へと映る形になった姫川。両者に繋がりがあり、そして、その上岡の事件捜査から、祖師谷の事件の背景というものが見え始めていく……
私自身は『Noir』を先に読んだのだけど、順番を間違った気がする。『Noir』は上岡をめぐる話メインで行くため、それを先に読んだ自分としては、祖師谷の事件がメインで、上岡の事件はオマケなんだな、と言う気分になってしまったため。こちらから読んだほうが、どっちがメインなのか? という興味を持てるはずだから。……といいつつ、ここで自分がネタバレしまくってどーするって話ではあるが。
そして、もうひとつ感じるのは、ここ数作、著者の興味が第二次大戦における日本の戦争責任とか、そういうところに移っているのかな? ということ。『Noir』サイドでは、反米軍基地デモとか、そういうのがメインになり、当然、その手の話が浮上してくる。対して、こちらでもしばしば、元米軍人視点の話が出てくる。いや、それだけなら、この企画のテーマと取ることもできるんだろうけど、『武士道ジェネレーション』とかでもそんな話が出てきて、正直、テンポを悪くしていると感じただけに。
と、先にネタバレ気味な話を書いてしまったのでそれ以外のことで分量稼ぎをしてみたところで……
元々のシリーズの完成度とかもあるんだろうけど、今回のコラボ企画の出来だと、『Rouge』の方が上だと思う。

No.4215

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