(書評)谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法

著者:柊サナカ



東京・谷中で3代続く今宮写真機店。そこには、様々な客が訪れる。スパイカメラを求める女性に、魔鏡に消えたカメラを探す男、親が使っているカメラを売ろうとする少女……。そんな謎を、店主の今宮は、次々と解いていって……
という連作短編シリーズ第2作。
何か2日連続で同じような題材の作品を読んでしまった。ただ、昨日読んだ作品よりも、カメラに纏わるそれぞれの話などがしっかりとしていて面白かった。
印象的なのは、「写真に撮ってはいけない」という魔鏡を写したところ、そのカメラが消えてしまったという2編目。魔鏡の正体の意外性もさることながら、趣味に没頭する夫と、それに振り回される妻。写真に限った話ではないけど、こういう夫婦関係とかってやっぱりあるんだろうな……。これで解決、で良いのかな? と思うところがないでもないけど……
逆に、認知症の老人が遺した3月14日の意味を探る3編目。こちらも、カメラが趣味だった老人。そして、その被写体は娘達。しかし、美しい妹に比べて、容姿で劣る姉は……。そんな姉の、苦々しい思いから、どんなことであっても娘は大切な存在なのだ、という結末が暖かくてよかった。
前回の孫の写真を……という話と同様、描写で大笑いしたのは6編目。前作にも登場したカメラマニアの中学生・古田くんが恋をして、という話。どうやって、その女の子に近づくのか、を相談するんだけど……今宮&古田……お前ら、ただの不審者だよ!(笑) てか、カメラの話しか出来ない時点で選択肢が殆どない、ってのは間違いないわけだけど……
そんな中で、今宮の留守を狙っては店に現れ、来夏に質問をし、厳しい言葉を届けていく男性というのが幕間で現れ、それが繋がる7編目。ここは、謎解きにすらなっていないけど、前作の来夏の話と同じように、今宮の過去が語られ、そして、来夏との距離が……。なんか、中学生の恋みたいな感じはあるけど、作品の雰囲気的には、このくらいが丁度良いのかな? とも思う。

No.4218

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