(書評)白蝶記3 どうやって獄を破り、どうすれば君が笑うのか

著者:るーすぼーい



市内の病院で起きたテロ事件から1年あまり。旭は朱里とともに「普通の中学生」としての日々を送っていた。しかし、そんな彼の心を占めるのは父である「室井」に連れ去られたまま行方不明の陽咲のこと。そんなとき、旭の前に時任が現れ……
シリーズ完結編。
終わってみると、副題となる部分が印象的に感じられる。
冒頭に記したとおり、テロから1年余り。旭たちがかつていた宗教団体は危険なテロ組織として司法の手が入り、その力は限りなく弱っている。そして、時任もまた、教団幹部として警察に追われる身。しかし、そもそもその教団の裏で手を回していた存在がいる。それこそが、裏社会のフィクサーとも言われる室井。そして、陽咲もまた室井の下へ。彼女を助けるためには、室井の後継者として選ばれること。そのための条件は、「2人の人間を殺す」こと。その一人は、実の姉である時任……(そして、時任もまた、旭を殺すよういわれる)
と書いたのだけど、別に時任と殺し合いを演じるわけではない。
第1巻は、教団の施設の獄から仲間を助けるために人を殺し……。第2巻は教団からの逃走劇。そして、室井の手下をかわし、室井の下へ。協力者は時任……。ここまでは敵対する存在ながら、しかし、立場は違えども厳しい日々を送ってきた事実には違いない……。協力者となり、そのことを知っていくが……
正直なところ、終盤の二転三転。それぞれの思惑と言うのがいまいち理解しづらいと感じたところはある。
ただ、それよりも、教団、さらに、その裏にいた室井という存在。そういった存在に翻弄される、まさに「獄」にとらわれてきた旭たち。その獄を破り、皆が笑顔で再会できる結末へ……
色々とあったけど、帯の通り「幸あれ!」という結末、明るさに付き合ってきてよかった! と言うのは間違いない。

No.4219

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