(書評)謎好き乙女と明かされる真実

著者:瀬川コウ



入学式から早伊原樹里に振り回されてきた春一。そして、それは今でも同じ。宛名のないラブレター、消えた誕生日プレゼント、姿の見えない歌姫……。次々と事件を解決していく。でも、このままで良い筈がない。なぜ、彼女は……?
シリーズ完結編。
上に書いたように、基本的には、これまでのシリーズのエピソードと同じく、学校で起きた不思議な事件の真相を明かす、という形で物語が紡がれていく。1編目のあて先のないラブレター。こういうと結構、回りくどい展開であるのは確か。でも、その裏にあるのは、その人物の性格を知り尽くしているからこその策略。そして、その「相手を知っているから」というのが、その後の話でも重要なポイントとなっていく。
すなわち、謎を解く際、そこに関係するのはこれまで春一、樹里が出会ってきた人々。当然、どのような人物なのか、事件を通してどう変わっていたのも知っている。そして、だからこそ、で絞込みが可能になっていく。
さらに、春一と樹里のコンビ。こちらも、互いに対して思惑がある。自分のことを隠そうとする樹里。知ろうとする春一。その間で、やはり互いの性格を知り尽くしての攻防戦というのが、それぞれの事件の中で繰り広げられる。なんていうか……こじれているっていえば、こじれているんだけど、これが常態って言えば状態の気がするから変な関係ではある。
そして、そういう攻防戦の末に明かされる樹里の真相。その結末……
ある意味では以外であり、ある意味では予想通りという感じかな。こういう作品で言えば、結構、ありがちな気はする。ただ、この辺りのほろ苦さ、そして、まとまり、という意味ではしっかりとしていると思う。
これまでシリーズを読んできて、2巻辺りとか、正直、微妙という感じがあった巻もあったものの最終的にはちゃんとキャラクター性とかを巧く生かす形になっていて、終わってみれば満足。楽しかった。

No.4230

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