(書評)はたらく魔王さま!0-2

著者;和ヶ原聡司



アルシエル率いる鉄蠍族が加わった新生魔王軍。だが、軍内での待遇を不服としてルシフェルが謀反を起こしてしまう。ルシフェルを追い、南のマレブランケ族の勢力圏への進軍を開始する魔王軍。しかし、圧倒的な人数を誇るマレブランケ族と、最強のハグレ・ルシフェルは手を結んでおり……
ということで、シリーズ前日譚第2作。まさかの「0-2」という表記にビックリ(笑) なんか、巻末を見ていると別のシリーズのようにあつかってあるし。ただ、序章などで本編16巻のエピソードが出ているので、完全に独立しているわけでもないのだけど。
前巻(0)の段階でも好き勝手にやらせてもらえるなら、というのがルシフェルの示した条件。しかし、魔王軍が大きくなるにつれ、それは出来なくなっていった。また、そもそもの一族ごとの人数などが違うため、軍の中に派閥の芽が出始めている。そんな中でのルシフェルの離反。
魔王の目的というのが、魔王軍による統一を果たし、魔族による平和国家を、というもの。しかし、それをやろうとすると派閥争いで、って、これ、歴史小説とかを読んでいるときの展開みたい。理想と現実の違い、とでも言うか……
そして、そのような中で思うのは……なんていうか、ルシフェル(漆原)、頭良かったんだ(笑) 好き勝手にやる、という目的はともかくとしてもその目的に魔王を悔しがらせること。そのため、マレブランケ族とそもそも事を構えずに協力をし、罠を張る。パソコンで勝手なものを注文するだけじゃなかったんだね!(笑)
ただ、一方で、派閥争いの目が見えつつも、それでも幹部たちには魔王の思想が根付きだしている。ネタバレになるけど、ルシフェルらの罠により、とらわれてしまった魔王。そんな中、派閥の力学はありつつも、幹部たちは、新参者ながら魔王が最も買っていたアルシエルをその後継に据える。なので、組織が大きくなることによって生まれる溝と、でも、それを乗り越えるだけの力を持っている、というのを示す後継。両者が巧くかみ合っているエピソードといえるんじゃないかと思う。
味は違うけど、これはこれで、結構、地に足の着いた物語といえるんじゃなかろうか?

No.4236

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