(書評)作家刑事毒島

著者:中山七里



新人賞の下読みを担当していた作家が殺された。容疑者として浮かび上がったのは、被害者の書いた評価シートに抗議した3人の投稿者たち。容疑者それぞれのアクの強さにうんざりした刑事・高千穂明日香は、先輩である犬養からある男にあうよう命じられる。その男、毒島は警察官でありながら小説家としても活躍している男だった……(『ワナビの心理試験』)
など、全5編を収録した連作短編集。
こういう言い方をすると何だけど……これ、形こそ殺人事件を描いているけど、ミステリという感じではない。何しろ、誰が犯人か? というフーダニットはありつつも、それを特定するためのヒントは主人公たちだけが目にしているため、読者としては推理のしようがないんだもの。
さて、その上で、だ……これはどうしたものかなぁ……という感じ。
冒頭に1編目の粗筋を書いたわけだけど、その小説家志望者、デビューはしたけど……な作家、作家に対して異常なまでの執着をする者たち、それを映像化する放送業界の人々……それぞれの文字通りアクの強い主張を延々と聞かされる。そして、そんなものを毒島の、さらなる毒舌で一刀両断にする。ある意味では、『黒笑小説』(東野圭吾著)と似たような印象。
まぁ、実際問題として思うところはある。私は小説家志望ではないし、なりたいとも思わないけど、一応は読書ブログなどをやっていて、なおかつ、コミケでは小説ではないけどアニメなどの批評っぽいものをしたりもしている。で、細々と、ながらも固定した読者様もいる。その中には……ごほん、ごほん……
ただ、そういう極端なのもいるだろうし、とは思う。ただ、そんなのばかりが出て、っていうことで、スープや具にこれでもかと脂の乗った、脂ギトギトラーメンを食わされている感じで多少、食傷気味に感じるところもあったり。こういうシニカルなネタをやるのって、あまり続けると、ってのもあると思うし。これは好みの問題かな?
というか、この本を読んでいて思ったこと。
警察官で、捜査の一線にも立っていたことがある毒島さん。そんなやりとりばかりしていてよく、後ろからブスッ! とされたりしなかったものだなぁ……と思ったり。

No.4242

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


スポンサーサイト

COMMENT 0