(書評)かがやき荘アラサー探偵局

著者:東川篤哉



父が急死し、その会社も人手に。宙ぶらりんな日々を送る啓介は、親戚の大富豪・法界院法子の秘書見習いをすることに。その仕事として任されたのが、家賃の払いが滞っているシェアハウス・かがやき荘に住む3人の女性から家賃を取り立てること。しかし、彼女らは働く気もない面々。折りしも法界院家で起きた殺人事件を解決することで家賃の代わりとすることになって……
というところから始まる連作短編集。全4編を収録。
これも新シリーズということになるのかな? 久々とはいえ、著者の作品、最近は新シリーズっぽいものを出しては1巻か2巻で続編が出ない、というのが続いているわけだけど……
正直なところ、キャラクターに関してはいつもどおり。たまには別の作風、つまり、ギャグとかを入れない作品でも良いんじゃないか? と思うのだが、どうだろう。
と、なんかネガティヴなことを書いているけど、今回、久々でネタを集める時間があったのか、謎解き自体は結構面白かった。
2編目。深夜、ゴミ捨て場に事実上、放置されていた洗濯機を拾ったかがやき荘の3人。かがやき荘まで運んだのはよいのだが、触ってもいないのに、電源、水道に繋がれ勝手に雑巾を選択していた。そんな出来事があった頃、3人のところへ法子から行方不明になった住人を探して欲しい、という依頼が入る。ところが、そこにはなぜか男性の死体が……
こうやって書いてしまうと、結構、予測がついちゃうかも。自分で書いていて、表現力がないな、と苦笑い。当然、双方が関係しているのはわかるわけだけど、結構、大胆なトリックを巧いこと組み合わせていて読み終わって「なるほど」と素直に思えた。
一方、父が浮気をしているのではないか、という3編目。その父を尾行する3人だが、なぜか、毎週、同じ時間に車で出かけていき、しかも、工事現場で時間をつぶして帰ってくるだけ、という謎の行動をとっていた。それは一体何なのか?
これ、自分も同じような行動をしていたことがあります! もうこれ以上書くとネタバレになっちゃうんで書かない。小粒かもしれない。でも、この行動は、やったことがある人には「うん、うん」と共感できるはず。
刊行まで時間があいたこともあるんだけど、ここのところの著者の作品の中では、素直に楽しめた作品といえる。

No.4243

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