著者:西尾維新


美少年探偵団の5泊6日にわたる合宿。それは、かつて指輪学園を追われた芸術家・永久井こわ子が隠れ住む人工の無人島。そこには、彼女が作った5つあり、それぞれに「見えない絵」があるのだという。美少年探偵団は、すべてを「鑑賞」することができるのか……
あらすじでは、「個別行動をとることになり」とあるのだけど、確かに、個別に行動はしている。しかし、眉美が、それぞれの館で、その「絵」は何なのかを、各館にいったメンバー」と共に探る、という形になっているので、どちらかというと短編集のような構成になっているだけ。これまでの、各メンバーを掘り下げる形の長編と印象としてはあまり変わらない。
5つの館。そこには、それぞれ鳥の名前が冠せられ、一筋縄ではいかない方法をとらなければ鑑賞することができない。まぁ、烏館とか、雲雀館あたりは何となく予想できるのだけど、孔雀館とかはそもそもビジュアルとかがわからないと推測するのは不可能じゃないかと思える。それぞれの館の、ある意味、謎ときというか、なぞなぞのような、ありえない仕掛けってのが楽しいのは確か。
そして、その館の謎が解かれ、それぞれの館に鳥の名前が付けられてるのかがわかったとき……
芸術家にパトロンがついて、創作の環境が与えられる。ある意味、それって芸術家にとって理想的な環境だ、という風に思える。けれども、パトロンがつく、というのはそのパトロンの意向やらに振り回される、ということも意味する。表現の自由、とか、そういう言葉はあるけど、その自由さに枷をはめる、ということにもなる。そのようなことを意味している、というのはなるほどね、と感じられた。
このシリーズ、トリックがすごいとか、そういうのは何のだけど、何だかんだで著者の掌の上で踊らされてしまうのが悔しい。
と、そのうえで、巻末に2つの短編。
1編目は……相変わらず、ミチルは不良の格好をしたオカンやなぁ(笑) とりあえず、その飯、食わせてくれ。味覚を狂わせても、それでも美味いって……
2編目は……こっちは、この作品でそれやっちゃうんだ、としか思えない。
No.4252

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美少年探偵団の5泊6日にわたる合宿。それは、かつて指輪学園を追われた芸術家・永久井こわ子が隠れ住む人工の無人島。そこには、彼女が作った5つあり、それぞれに「見えない絵」があるのだという。美少年探偵団は、すべてを「鑑賞」することができるのか……
あらすじでは、「個別行動をとることになり」とあるのだけど、確かに、個別に行動はしている。しかし、眉美が、それぞれの館で、その「絵」は何なのかを、各館にいったメンバー」と共に探る、という形になっているので、どちらかというと短編集のような構成になっているだけ。これまでの、各メンバーを掘り下げる形の長編と印象としてはあまり変わらない。
5つの館。そこには、それぞれ鳥の名前が冠せられ、一筋縄ではいかない方法をとらなければ鑑賞することができない。まぁ、烏館とか、雲雀館あたりは何となく予想できるのだけど、孔雀館とかはそもそもビジュアルとかがわからないと推測するのは不可能じゃないかと思える。それぞれの館の、ある意味、謎ときというか、なぞなぞのような、ありえない仕掛けってのが楽しいのは確か。
そして、その館の謎が解かれ、それぞれの館に鳥の名前が付けられてるのかがわかったとき……
芸術家にパトロンがついて、創作の環境が与えられる。ある意味、それって芸術家にとって理想的な環境だ、という風に思える。けれども、パトロンがつく、というのはそのパトロンの意向やらに振り回される、ということも意味する。表現の自由、とか、そういう言葉はあるけど、その自由さに枷をはめる、ということにもなる。そのようなことを意味している、というのはなるほどね、と感じられた。
このシリーズ、トリックがすごいとか、そういうのは何のだけど、何だかんだで著者の掌の上で踊らされてしまうのが悔しい。
と、そのうえで、巻末に2つの短編。
1編目は……相変わらず、ミチルは不良の格好をしたオカンやなぁ(笑) とりあえず、その飯、食わせてくれ。味覚を狂わせても、それでも美味いって……
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- パノラマ島美談 作:西尾 維新 発行元(出版):講談社(タイガ文庫レーベル) ≪あらすじ≫ 美少年探偵団、五泊六日の冬期合縮。行き先は、指輪学園を追放された元教師にして芸術家・永久井こわ子が隠れ暮らす無人島―野良間島。島にはこわ子がみずから製作した、鳥の名を冠する五つの館があり、それぞれに『見えない絵』で展示されているというのだ。滞在中にすべての絵を鑑賞するため、探...
- 2017.01.14 (Sat) 11:06 | 刹那的虹色世界