(書評)霊感少女は箱の中

著者:甲田学人



心霊事件で前の学校を退学処分となり、銀鈴学院高校に転校してきた少女・柳瞳佳。お人よしである彼女は、転校早々、クラスでも内向的なグループのおまじないに付き合うことに。人目につかない女子トイレで行うおまじない。人数と同じ数を数え、鏡に一緒に入って撮った写真。しかし、そこにはいないはずの女の姿が……。そして、おまじないに加わった少女の一人が失踪してしまう。少女の失踪と写真、問題を解決するために、クラスメイトであり、心霊現象を解決する専門家だという守屋真央に相談するのだが……
著者の作品を読むのはデビュー作である『Missing 神隠しの物語』以来、十数年ぶり。流石にどんな物語だったか、記憶はほとんど残っていなかったけど、なんか、暗い雰囲気の話だったな、というのは覚えている。で、本作もそんな印象を覆すことなかったな、という感じ。
冒頭に書いたように、おまじないをした結果、一人が行方不明になり、写真にはいないはずのもう一人が……。そんなところから始まるわけだけど、その背景にあるのはフレドメールなるチェーンメール。そして、「フレンド」とは正反対の悪意にまみれた人間関係……。
心霊現象を引き寄せる少女・瞳佳。呪われた道具を受け継ぎ、その道具に対する複雑な思いを抱えながらもそれを利用する真央。その中での、心霊現象などについての解説。それと上に書いた学校という閉鎖空間の中での、どうしようもなく残酷化するスクールカースト。双方がうまいことかみ合って、どうしようもない窮屈で、嫌な雰囲気を常に醸し出す、というあたりのが見事。ハッキリ言って、物語として円満解決とは程遠いもの。しかし、ある意味で爽快感を感じてしまうのが不思議。
まぁ、欠点を挙げるのならば、真央のスタッフ(?)の面々。いろいろと専門の部分を持っていて、考え方とか、そういうのもかなり個性的なのだけど、その割に出番が少なく、もうちょっと活躍できる場面が欲しかったこと。少なくとも、この巻での描写だけであれば、これだけの人数がいる必要性は感じないわけで。
何か、この巻で話そのものが終わってしまったような気がしないでもないのだけど、続巻があるなら、その辺りに期待、かな?

No.4262


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