(書評)アンデッドガール・マーダーファルス2

著者:青崎有吾



1899年、ロンドンは大ニュースに沸いていた。怪盗アルセーヌ・ルパンが、フォッグ邸にあるダイヤを狙うと予告を出したためだ。警備を担当することとなったのは、“鳥籠使い”一行と名探偵シャーロック・ホームズ、さらにロイズ保険機構のエージェントで……
前作は2つのエピソードの短編集という感じだったけど、今回は2章に分かれているとはいえ、1本のエピソードとして完成している。そして、前作ほど謎解きに重きが置かれていない感じ。
物語は、基本的にはルパンVSホームズの戦い。予告時刻の前に現場に姿を現せるルパン。そのやりとりから、どういう策を取ってくるのか読みあう両者。さらに、その中で何かをたくらんでいるエージェントたち。ひっそりと自分たちの立ち位置を確認する鳥籠使い一行。そして、その仕掛けが発動したのだが……
前半のルパンとホームズの戦いは、ちょっと特殊な形ではあるがどういうトリックか? というようなミステリ要素が強いのだけど、そこにモリアーティ率いる怪異たちが乱入しての後半は完全にバトルモノ。ダイヤを守ろうというのは、ホームズと鳥籠一行のみ。あくまでも奪うことを目的とするルパン。ルパンに盗ませた上で、横取りを狙うエージェントたちに、さらに真横から殴りつけてきたモリアーティたち怪異たち。それぞれの目的は、それが指し示すという怪異「人狼」へ達する手がかりのため……
一応、人狼を探している、というような目的はあったため、やがてこういう方向へ進んでいくとは思っていたのだけど、2巻の段階でここまで踏み込むとは思っていなかった。いろいろな怪異の起こす事件とか扱いながらモリアーティ教授の存在を浮かび上がらせるような感じで、もっと引っ張ると思っていたんだけど……。カーミラとか、切り裂きジャックとか、いきなり部下(?)の怪異が出てきちゃうし。
個人的には、著者の謎解き要素とか、とういうのを楽しみにしている人間なので、そういうところは今後もちゃんと残した上で話を展開してほしいな、と思うところ。

No.4238


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