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(書評)戦うパン屋と機械じかけの看板娘6

著者:SOW



ゲーニッツの反乱からはや3か月。騒動の主犯である親衛隊は解体され、首謀者たちは逮捕された。そのような中、親衛隊員でありながら、実質的に親衛隊を裏切り、王都解放に尽力したヒルダは、士官学校へ再入学させられていた。周囲から浮いた存在となった彼女だったが、そんな士官学校では幽霊騒動が沸き上がっていて……(『ヒルデガルド・フォン・ヘッセンの事件簿』)
など、多分、3編を収録した短編集……で良いのかな?
あとがきで、著者が「第2部の前段階エピソード」と書くように今回は、どちらかというと日常を描いたようなエピソード。その走りが、冒頭に書いたヒルダの話。
なんていうか、このエピソード。過去の話だと、道化的な役回りだったのだけど、士官学校に行くと「できる人」的な立場になるのね。まぁ、一応、親衛隊だったとか、そういう情報が出回っている中だから、というのもあるのだろうし、何だかんだでゲーニッツの下での行動で成長しているから、ということになるのだろう。っていうか、リーリエとのコンビで……って、今後、番外編シリーズとして刊行してくれないかな? いい珍道中が見れそうだし。
『生誕祭の聖女と悪魔』は、前巻の感想で、やっぱりパン屋要素が欲しい! と書いた身としては、嬉しい限り。生誕祭用のお菓子を作ってほしい。普通なら面倒くさい、という中、異様にノリノリで作り出すルート。しかも、祭りで天使役をスヴェン、悪魔役をルートて……。いや、これまで全くと言っていいほど頼られなかったのが……ってのはわかるにしても、なんか、最近の街の人々、ルートの「使い方」を覚えていないか?(笑) そんな中、天使なんていない、という少女。なぜなら、彼女を迎えに来ると言って出て行った姉は戻ってこないから……
話そのものは奇麗にまとまっているのものの、やっぱりこのエピソードは日常のひとこま&今後への伏線って感じかな? 次なる敵、って感じのオチだものな。
そして、ソフィアの話は……ソフィアさんは、やっぱり、なんか変なのと近い関係になっちゃうのね。ただ、プロローグから合間合間に挟まれる話を見ていると、今後、やっぱりスヴェンらの存在がクローズアップされ、そして、「人間とは何か?」的な部分が主題となっていくのだろうな、というのを感じさせる。

No.4267


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