(書評)ハナシマさん2

著者:天宮伊佐



韻雅町を震撼させた猟奇殺人事件から半年。市内の高校に通う一人の少女が失踪した。失踪した少女・草薙勾玉は、絶世の美女であるもののオカルト話になると止まらなくなるため「破滅的な美女」と呼ばれる偏屈者。そして、彼女は失踪前、「異世界に行ける方法」を探っていたというのだが……
ということで、シリーズ第2作。前作が比較的、きっちりとまとまっていたのでどういう風に続けるのだろう、と思っていたのだけど……
ネタバレで思いっきり書くね……
ハナシマさん、関係ねぇ!!(笑) 登場シーンすらないし。
物語は前巻同様、多視点でつづられる。勾玉が失踪した、いうことを聞いてその行方を探すこととなる刑事の時田。勾玉とかかわりがあった、ということで時田の捜査に協力することになる道隆。勾玉が失踪した、ということを知り、その行方に興味を抱く教授。そして、時田の後輩を演じながら、あるものを探している組織のメンバー・恩野……
前巻は、連続殺人というのが起こりながら、そこにハナシマさんという少女がどうかかわっているのか? 犯人は誰なのか? というようなところを探るミステリ形式の物語だったのだけど、今回は、失踪した勾玉を様々な勢力が追う、というもの。周囲に退屈しきり、そのうえで「異世界」へ行きたかった、という勾玉。そして、そんな彼女はネットで「方法」を見つけたという。その異世界って何なのか? とか、そういうものはあるんだけど、謎解きというよりは、作品世界の中にどんな勢力があるのか、の説明的な話になったかな? と感じる。
それぞれの勢力が対立する、というよりは、それぞれがそれぞれの方法で勾玉を追い、結果として一つに収束していく。その終盤にはバトルとかもあるのだけど……
事件そのものはこの巻でもしっかりと決着。勾玉は……というのがありつつも、決して不幸な結末になったわけではない、という形でまとめたのはよかったと思う。ただ、事件そのものの外の部分をいろいろと掘り進めたように思え、全体を通すと「つなぎ」の巻だったんじゃないか、と感じる。先に書いたように、いろいろなオカルト組織があるのが見え隠れして、しかも、教授とか、何を考えているのかよくわからないし。そう考えると、大分、世界観そのものの掘り下げになっているんだよな……
ということで、何かものすごく煮え切らない感想が書きあがったのだけど、「勾玉の事件」としてはしっかりとまとまっていて面白かった。そのうえで、というのがここまで書いてきたことの意味なので勘違いされないように。
それはそれとして……
ハナシマさんに今後、出番はあるのだろうか?
すごく気になるところである。

No.4280


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