(書評)珈琲店タレーランの事件簿5 この鴛鴦茶がおいしくなりますように

著者:岡崎琢磨



アオヤマがコーヒーに興味を持つようになったきっかけであり、彼の初恋の相手である眞子。11年ぶりに再会した彼女は、当時、語っていた夢をかなえたように思えたものの何か迷いを抱え込んでいるようでもあり……
ということで今回は、アオヤマの初恋、その相手である眞子との関係を中心に添えた形で連作短編という形になっている。
正直なところ、シリーズを重ねるごとに、どんどんチャラ男化していくアオヤマなのだけど、ある意味、1巻目のようなカラーを取り戻しに来たのかな? という感じ。それは、各エピソードの前後に入るアオヤマの過去エピソードであり、というところがあるため。そして、今回は新たな試みとして、『源氏物語』をモチーフに用いる、ということをやっている。
……のだけど、何か、作品のカラーが変わってしまったかな? というのを思う。
というのは、これまでは珈琲店が舞台。そして、謎解きなどについても、その珈琲などについての蘊蓄を交えながら、という形であったため。ところが、今回は、『源氏物語』をモチーフにしているため、そちらの知識とかがメインになっていると感じられるため。何か、舞台は珈琲店なのに、野村美月氏の「文学少女」的な雰囲気が感じられて仕方なかった。一応、コーヒーを題材にした謎としては、中高年になった叔父が突如、人形を購入してきた。そして、その人形はコーヒーを飲むのだ、という4編目の『コーヒードール・レゾンテートル』くらい。ただ、これも、別に紅茶でも、日本茶でも、ぶっちゃけ水でも構わないようなものだからなぁ……というのはあったりする。
そして、各エピソードの謎を超えて、最終的に眞子自身を巡る謎へ……となるわけだけど……
言っちゃ悪いけど、アオヤマの予測があまりにもシンプルなので、その裏を考えれば真相にたどり着いてしまう、という構造が何とも……。各エピソードでのアオヤマの推理もそうなのだけど、そのまま受け取りすぎでしょう、と。この辺り、あまりにもパターン化され過ぎているかな? と思う。
色々と新しいことに挑戦している、というのはわかったがそれが成功したかというと……

No.4298


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  • 2017.02.16 (Thu) 22:28 | 刹那的虹色世界