(書評)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11

著者:大森藤ノ



竜の少女を救った代償として、人々からの信頼を失ったベル。周囲からの白眼視の中、それでもベルを信じる者たちもまたいる。そのような中、とどまる異端者たちにも限界が……。異端者たちをダンジョンへと戻すための行動が始まる。そんなベルたちの前に立ちふさがるのはロキファミリア……
一応、前巻でも一段落ついていたと思ったものの、やっぱり、この巻でまとめ、という形のエピソード。
とにかく、この巻は、ロキファミリア、ひいてはアイズとの対決。
ウィーネら、異端者は人間の言葉が通じるし、決して敵対するような存在ではない。しかし、そのことは決して人々に知られていることではない。当然、異端者=怪物であり、人類の敵ということになる。そのような形で信頼を失ったベル。ひいてはヘスティアファミリア。それでも、という行為は、本当に正しいことなのか? そんな迷いから、そんなベルを後押しするファミリアがいて、ウィーネらを救う決意を固めるが……敵対するはロキファミリア……
シリーズ開始当初から、ベルはヘスティアファミリア。対して、アイズはロキファミリア。ここまででいうと、どちらかというとヘスティアとかをはじめとしたベルを好きな女性陣に立ちふさがる壁的な存在としてアイズがいたわけだけど、今回は文字通りに敵対する最強の敵として君臨。さらに、以前の短編にあったエピソードで、ロキファミリアの団長・フィンは自分の一族を復興することを目的としている存在というのがうまく聞いてくる。団長として、フィン自身はウィーネらの存在に違和感を覚え、異端者という存在にも気づいている。しかし、それを救うのは現在のベルのように人々の信頼を失う結果につながりかねない。だからこそ、気付いていても非常になりきる存在もいる。そんな絶望的な状況での戦い。しかし、良くも悪くも行動を共にしたことが多い両者、互いの考え方も知っている。そんな裏を突く行動で計画を遂行するヘスティアファミリアの面々……。頭脳戦の部分と、そしてその中でのベルVSアイズなどが非常に読み応えがあった。
そして、戦いの中で、アイズもある程度、ベルの意思を尊重したかと思われたところで……
この部分で340頁ほど。普通に考えれば、「え?」というところで続巻へ、というのでも良いと思う。でも、本作は450頁あまりある話。そこから、もう一展開。異端者を陥れた存在。それが示すのは、ベルの名誉回復の方法。それは非情な方法……
色々な部分を端折って考えれば、ベルの名誉回復もできたし、異端者たちも助かった……ということでハッピーエンドと言える形である。しかし、ベル自身が悩み、行動をしたのとは別次元で、フレイヤやヘルメスといった神々の側の思惑が全てを翻弄している。その状況の気持ち悪さが印象に残る。
まぁ、それでも、エピローグの話は……ベルくん、天然ジゴロやわ……

No.4304


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