(書評)アニメを3Dに!

著者:松浦裕暁



近年、日本のアニメの中で大きな成長を続けている3DCG。使いどころ次第では、クオリティを向上させながらも予算を低減することも可能。そんな3DCGを用いて、『蒼き鋼のアルペジオ』や『ブブキ・ブランキ』などを送り出しているサンジゲン社の代表取締役である著者が、社の方針、どのようなことをしているのかを綴った書。
ということで、タイトルの「3D」は「サンジゲン」と読む。
こういうと何だけど、自分、アニメについての評論(?)みたいな文章を同人誌に書いたりしているけど、アニメ制作とかにはあまり詳しくない。また、プログラミングとかにも全く詳しくない(HTMLをかじったとかくらいの悲惨なレベルだ(笑)) なので、こういう風に変わっています、とかそういうのを語る部分で完全に理解できた、とは言い難いと思う。ただ、それでも、アニメの本数だけは多分、世の中のアニメファンの中でも多く見ている方だと思う自分にとって、色々と感じる部分が多かった。
例えば、これまでの作画アニメとCGを併用した作品だと両者が何かうまくかみ合っていなくて、CGが浮いている、と感じる作品がしばしばある。最近は大分、その辺りが解消された感はあるけど、それでも。で、そんな中で著者がかつてかかわったGONZOでの制作体制、すなわち、CGはCG、作画は作画で全く連携なくバラバラにつくっている、とかそういう状況があった、なんていうのを聞くと「なるほど」と感じるわけである。他の素材を使うこと、それ自体はあるだろうけど、一緒にする、という前提で考えれば、連携がなければそりゃ浮いてしまうよなぁ……とね。
また、これまでのアニメは一つ一つの絵を描いて、それを動画に、という流れしかなかったけど、CGであれば逆が可能になる。とか、はたまた、しっかりとしたモデリングを完成させることで、いわゆる「作画崩壊」というのがCGでは発生しなくなる、という指摘もなるほど、と感じる。また、その一方で、CG故に動きをつけることは可能だけど、いざ、作品を作るにあたって、その動きをどこまですべきなのかの調整とかは経験が必要なんて辺りは、やはり普通のアニメと変わらないのだなぁ、とも。
本書の中でもいくつか出てきたのだけど、『アルペジオ』と『ブブキ・ブランキ』。両者を比べても、『アルペジオ』のときはまだCGCGって感じだったのだけど、『ブブキ・ブランキ』では大分、作画アニメのそれに近づいたように思う。作画アニメを題材にして、その方向へ近づける努力っていうのが実ってるのは感じる。
サンジゲン社の作品ではないけど、『亜人』とか、『けものフレンズ』とか、フルCGアニメ作品自他は次々と登場している。そういうのを考えても、サンジゲン社のような存在がメインストリームになるかどうかはともかくとしても、重要度が高くなっていくことは間違いないだろう。もっとも、作画とかの部分だけでアニメの出来が決まるわけではないのが難しいところなんだろうけど……

No.4308


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