(書評)おにぎりスタッバー

著者:大澤めぐみ



中萱梓。通称アズ。見た目も成績も地味ながら、「援交だか、売春だかをやっているらしい」という噂によって、クラスメイトから避けられている。自称魔法少女のサワメグだけが、話し相手だ。そんなある日、男をあさっていたアズは、パンクスの人に絡まれてしまう。そこを助けてくれたのが、学校の女子から絶大な人気を誇る穂高先輩で……
内容以上にまず、その文体で色々と話題をさらった本作。舞城王太郎氏の作品っぽい、っていう意見があったのだけど、確かに、主人公・アズの語りかけの形で延々と文章がつづられ、1ページが全て文字で埋まっている、とかはそれっぽい。同じ女子高生が語り部、ってこともあるんだろうけど、個人的には『阿修羅ガール』辺りに近い印象かな? と。まあ、あくまでも文章が延々と続く辺りが似ているだけ、ということであまり比較する必要はないと思うが。
ともかく、物語そのものも結構、ぶっ飛んでいる。
主人公のアズは文字通りに「男を食う」鬼だったりする。なので結構、あっけらかんと人を食べてしまったりはする。そして、基本的に周囲のこととかに興味がなく、人の顔とかそういうのを全く覚えない。そんな彼女が唯一、話し相手にしているサワメグは、自称魔法少女。ある意味、痛いキャラではあるんだけど、それが一周回って不思議ちゃん的な立ち位置をキープ。そして、本当に彼女は魔法が使え、世界の歪みを正しているらしい。最後に穂高先輩は、素直に良い人。それだけに女子が放っておかないので、穂高先輩と近くなるアズに敵愾心を持つ存在も出てくる。でも、別に穂高先輩とは恋人同士とか、そういうわけでもない。
そんな、結構、ぶっとんだキャラクター、設定での、会話劇などがメインになりつつ物語が進行していく。
私自身は、物語の構成とか、そういう構造的なものを中心に作品を評価するクセのようなものがあるんだけど、その意味でいうと、一番、語りづらい。だって、唐突にキャラクターが登場したり、設定が登場したりとある意味、カオスの極致のようなものなんだもの。でも、連作短編形式で、不思議とそれぞれのエピソードがしっかりとまとまり、キャラクター同士の関係性が少しずつ変化していく。計算の結果なのか、偶然の産物なのかもよくわからないけど、読んでいてだんだんとアズの気持ちに共感し、読み終わるとなんかいい青春モノだったな、という気分になる。理屈をこねくり回すタイプの私としては、何だこりゃ、って感じ(笑)
よくわからんがいい感じ。
感想を一言で言うと、こんな意味不明なものになる(苦笑)

No.4309


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